東京都の足立区議会は育児と議会活動を両立しやすくする支援策を導入した。他自治体を視察する際、ベビーシッターを自費で確保できれば子どもを同伴できるようにした。議会棟の1室を託児室に転用し、授乳しながらテレビモニターで本会議を見られるようにするほか、本会議や委員会で妊娠中の議員が着席して質問することも認める。
 区議を対象にハラスメント全般の研修を実施。妊娠・育児中の議員が活動しやすい環境を整える。
 一方、本会議や委員会に子連れで出席することは「議論をたたかわせる場にそぐわない」として認めないことにした。他自治体の視察では移動や宿泊時のみ子連れ可とし、仕事中はベビーシッターに預けることを求める。
 議員の育児と議会活動の両立については2017年11月、熊本市議会で女性市議が乳児と一緒に本会議に出席しようとし、議長から注意を受ける事態が起きた。足立区議会は定員45のうち女性は8人。子育て中の女性区議らから両立支援策を求める声があがっていた。

本記事では,足立区における議会改革の取組について紹介。
同区議会では,「議会活動と育児等の両立支援策」*1として,次の5つの取組を実施。
一つめは,「託児が必要な議員・傍聴者のために」,「子どもの保育や授乳・搾乳を行える」ように,「議会棟内の1室」を「託児室」に「活用」*2する。二つめは,「議員研修会や議員連盟等の会議」の際に,「原則1歳までの子ども」を「同伴して出席できること」*3とする。三つめは,「視察の際」には,「自費でベビーシッターを確保し」「子ども・ベビーシッターの宿泊・交通費等も賄う等の対応」することで,「子どもを一緒に連れての移動や宿泊等をできること」*4としている。四つめは,「体調に配慮して」「本会議・委員会等」での「着席」による「質問を認め」*5る。五つめは,「ハラスメント全般の研修を適宜実施」*6をすることとしている。
同取組を通じて,今後選出される「議員の社会的背景」*7の推移は,要観察。

*1:足立区HP(足立区議会)「議会改革

*2:前掲注1・足立区(議会改革)

*3:前掲注1・足立区(議会改革)

*4:前掲注1・足立区(議会改革)

*5:前掲注1・足立区(議会改革)

*6:前掲注1・足立区(議会改革)

*7:北村亘,青木栄一,平野淳一『地方自治論 2つの自律性のはざまで』(有斐閣,2017年)27頁。

地方自治論 -- 2つの自律性のはざまで (有斐閣ストゥディア)

地方自治論 -- 2つの自律性のはざまで (有斐閣ストゥディア)