地方税収の大幅減懸念 地財審が意見書 (日本経済新聞2020年11月18日)

 地方財政審議会総務相の諮問機関)は18日、2021年度予算編成に向けた意見書を武田良太総務相に提出した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で「地方税収の大幅な減少が懸念される」と指摘した。

 意見書には「感染拡大防止や医療体制の確保、雇用対策などで地方自治体の歳出の役割が一層重要」と盛り込み、地方交付税地方税収を合わせた地方財源の確保の必要性を強調した。

 地方税務手続きのデジタル化では、19年10月から稼働している「地方税共通納税システム」の対象に固定資産税などを追加するよう提言した。

本記事では、地方財政審議会における意見書を紹介。

同審議会が2020年11月18日に提出した「令和3年度地方税制改正等に関する地方財政審議会意見」では、「新型コロナウイルス感染症への対応のため、国・地方を通じた歳出が急速に拡大する中で、消費や設備投資の減退等による経済の下押しにより、今後、地方税収は大幅な減少が懸念されている」と述べ、「地方財政は 厳しい見通し」*1を提示。

そのうえで、「新型コロナウイルス感染症への対応」として、現在、「固定資産税」では「厳しい経営環境にある中小事業者等に対して」「令和3年度課税の1年分に限り」「償却資産及び事業用家屋に係る固定資 産税及び都市計画税課税標準を2分の1又はゼロとする措置」の「減収額はいずれも全額国費で補塡されている」ことに関して、「経済対策は、 本来、市町村の基幹税である固定資産税を用いて行うべきではなく、期限の到来をもって確実に終了すべき」*2との意見が示されている。

「市町村の基幹税」*3の同税。税収状況は要観察。

*1:総務省HP(広報・報道 : 報道資料一覧 :「令和3年度地方税制改正等に関する地方財政審議会意見」の提出)「令和3年度地方税制改正等に関する地方財政審議会意見」(令和2年11月17日 地方財政審議会)3頁

*2:前掲注1・総務省令和3年度地方税制改正等に関する地方財政審議会意見)15頁

*3:沼尾波子・池上岳彦・木村佳弘・高端正幸『地方財政を学ぶ』(有斐閣、2017年)113頁

地方財政を学ぶ (有斐閣ブックス)

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