返礼品に世田谷区の版画 ふるさと納税 区税流出対策(東京新聞2023年11月22日)

東京都世田谷区は、ふるさと納税制度の返礼品に、区が所有する画家向井潤吉氏(1901~95年)の版画作品(寄付額100万円)を追加すると発表した。2023年度のふるさと納税制度に伴う区税の流出が今年7月1日時点で約99億円に達し、対策として寄付獲得を目指そうと区の文化芸術品まで提供する格好だ。20日の会見で保坂展人区長は「制度自体が自治体を競争に追い込んでいる」と話し、国に制度見直しを訴えた。
 流出額は昨年、区民が制度を利用して他自治体に寄付したことに伴う本年度の区税控除額の総計。昨年度より約12億円増えた。流出を食い止めようと、区は昨秋から「返礼品競争」に加わったが、区への寄付は10月末時点で1億5千万円程度。前年度同時期比で約9600万円増えたが、目標の5億円には届かない。
 向井氏は全国の民家を描き続けた画家として知られ、1933年から区内にアトリエ兼住居を構えた。返礼品に加える版画作品は、世田谷美術館分館向井潤吉アトリエ館開館時の記念品などとして区が所有する「檜原村数馬大平」のうち、シリアルナンバーが入った作品の額装31点。全て返礼品として贈られても、区民が鑑賞できる作品は残るという。来年2月半ばまで募集する。また、世田谷美術館の展覧会鑑賞チケットと併設レストランの食事券のセットなども返礼品に追加する方針。
 保坂区長は「このまま流出が続けば、区の事業が財源的にできるのか、という事態も出てきかねない。流出一方通行にしないために努力したい」と話した。(奥野斐)

本記事では、世田谷区におけるふるさと納税の取組を紹介。

及びの各本備忘録で記録した同区による同制度の取組。同取組等を通じて、2023年「10月末現在」「法人等を含めた全体で約 1 億5,000 万円」となり「昨年度同時期比で約 9,600 万円の増」のなか、同区では「文化芸術に絡めた新たな返礼品」*1を開始。

「「ふるさと納税」が流出する」*2状況の推移は、要観察。