柏市は、市の審議会に市民が参加する公募委員の候補者を事前に名簿登録する制度を始めた。市政に幅広く参加を促す目的で、今後は審議会に参加しやすいよう休日や夜間の開催も検討する。市によると、名簿登録制度は県内初。
 市の審議会や協議会は今年四月時点で六十一機関あり、うち二十六機関で市民の意見を集めるため公募による委員を導入。市民の委員数は同時点で三十八人。
 これまでは審議会ごとに個別で募集してきたが、応募者が少なく、掛け持ちする委員など応募者が固定化していることが課題だった。
 新制度に向け市は十一月上旬、十八歳以上の市民から無作為に抽出した千人に案内状を送り、公募委員の候補者として登録をお願いしている。登録時には、子育てや福祉、市民協働など七つの分野から、希望する分野を三つまで選択し、返送する。
 登録は来年一月からで期間は二年。市は審議会委員の改選時に名簿をもとに、委員の就任を依頼する。就任は断ることもできる。
 市によると、同様の制度は、東京都三鷹市などで採用されている。柏市の担当者は「これまで市政に興味が低い人にも直接アプローチできる。多くの人に参加してもらいたい」と期待している。 (三輪喜人)

本記事では,柏市における市民参加制度の取組を紹介.
同市では「より多くの市民」に「市政へ参画」することへの期待から,「これまで市政に参加する機会の少なかった市民」の「参加」ができるように「審議会等の公募委員候補者名簿登録制度」*1を導入.具体的には,同市内「在住の18歳以上」のものから「無作為に1,000人を抽出」し「審議会(附属機関)等の委員に興味がある」ものを「事前に公募委員候補者として名簿登録」*2する.「名簿登録時」には,「審議会(附属機関)等の分野」である「子育て及び教育」「福祉,健康及び医療」「市民協働」「生涯学習,文化及びスポーツ」「環境及び清掃」「社会基盤及び産業」「行政経営」の「7つ」から「関心のある分野を3つまで選択」*3が可能とされている.同市としては「柏市で生活する市民の視点から」の「自由に率直な意見」を求める「考え」から,同委員には「専門的な知識や経験等は必要」*4とはしない,との考えが示されている.
同制度による審議会等での「討議密度」*5は,要確認.

*1:柏市HP(市政・広報附属機関等附属機関等の委員の公募)「審議会等の公募委員候補者名簿登録制度

*2:前掲注1・柏市(審議会等の公募委員候補者名簿登録制度)

*3:前掲注1・柏市(審議会等の公募委員候補者名簿登録制度)

*4:前掲注1・柏市(審議会等の公募委員候補者名簿登録制度)

*5:篠原一編『討議デモクラシーの挑戦』(有斐閣,2012年)236頁

討議デモクラシーの挑戦――ミニ・パブリックスが拓く新しい政治

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