益田市は今春の異動に向け、職員が業務の改善や新事業の実現を市長らに“直訴”し、異動希望を伝える「配属志願プレゼンテーション制度」を導入した。新制度によって職員にチャンスを与え、職場の活性化を図るのが狙い。首長らが職員から直接、異動希望を聞き、人事に反映させる制度は珍しい。(立山光一郎)
 プレゼンテーションでは、市長ら特別職と総務部長を前に、約10分間で異動希望先で取り組みたい業務の内容や理由、熱意などを伝える。発表の方法に制限はなく、質疑の時間も20分ほど設ける。
 対象は、職員440人の内、管理職や現業職を除く約350人。制度に応募したことは、本人の職場の上司や希望先職場にも秘密にされる。応募人数も明らかにされないが、初めてとなる今回は数人の応募があったという。
 希望がかなったかどうかは3月、他の職員と合わせて行われる異動の内示で知る仕組み。制度を利用したことは異動先の上司にも明らかにされないが、異動理由が業務にかかわるため、新たな配属先で希望業務が実現できるように配慮されるという。
 制度導入にあたり、各課の所属長は昨年10月末までに、それぞれの職場の業務内容や求める人物像などをまとめた“求人票”を職員向けに初めて公開した。その後、職員は異動希望などを伝える自己申告書に、制度応募の希望を記して提出している。
 同市人事課によると、県内8市では、初めての取り組み。「業務に対する職員の熱意を、より吸い上げられるようにして、互いに能力や士気を高め合う職場風土を進化させたい」としている。
 県外では、大阪市茨城県つくばみらい市などで、希望職場の所属長に直接交渉する「庁内フリーエージェント制度」の導入が進んでいる。益田市の場合、本人が異動希望先と直接交渉しない点が異なっている。

本記事では,益田市における昇任管理の取組を紹介.
2016年「9月26日」に開催された「平成28年度 第11回政策調整会議」において報告された「配属志願プレゼンテーション」*1制度.本記事によると,同制度の対象は「職員440人の内,管理職や現業職を除く約350人」となり,「市長ら特別職と総務部長を前」に「約10分間で異動希望先で取り組みたい業務の内容や理由,熱意などを伝える」ことになる,という.結果は「3月」に「他の職員と合わせて行われる異動の内示」で伝えられることとなる.「人事異動に関する職員の希望提出を制度化」*2した同制度.申告書の提出状況は,要観察.

*1:益田市HP(所属で探す人口拡大課(政策企画)最高幹部会議・政策調整会議報告平成28年度会議報告)「平成28年度 第11回政策調整会議 議事概要

*2:出雲明子「第8章 地方公務員制度と人事管理」柴田直子・松井望編著『地方自治論入門』(ミネルヴァ書房,2012年)168頁

地方自治論入門

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