大阪市平松邦夫市長(60)と市在住の歌手、大西ユカリさん(45)がデュエットソング「ウェルカム大阪」を制作した。?大阪あちこちおもろいで 世界の国からいらっしゃい――。軽やかなメロディーに乗せて大阪の名所や人情を熱っぽく歌い上げる。現職首長の〈歌手デビュー〉は珍しく、平松市長は「身の程知らずだが、少しでも大阪を元気にできれば」と話している。
 大西さんが作詞し、「食べるものはおいしいし、人情にも厚い。遊ぶとこもようけあります」などと、平松市長がセリフで語りかける部分もある。2人は以前からの知り合いで、昨年秋に再会した際、「大好きな大阪を歌で盛り上げよう」と意気投合したという。2人は5日、同市浪速区のFM大阪で記者会見し、歌を披露。今後、市のイベントでも2人でマイクを握る予定だが、平松市長は印税などの報酬は受け取らないという。CD(1000円)は29日から販売される。

同記事では,大阪市長が歌手デビューを果たすことを紹介.デュエットソングで,曲名は「ウェルカム大阪」.既にアマゾンで予約ができる模様*1
歌唱印税は市の財政に還元する方向」*2とのこと.同曲の売り上げ次第では財源収入も期待できる.更には,地方自治法第147条に基づき,長には「外部に対して,当該普通地方公共団体の行為となるべき各般の行為を行いうる権限」を有し,「長が行つた行為そのものが,法律上直ちに当該普通地方公共団体の行為となる」*3と解されているものの,「首長のパーソナリティ(人物像)が自治体のイメージを表現(代表)する」*4との観察分析からすれば,同曲の実売は問わずとも,同種の広報活動を通じて,同市のイメージを「表現(代表)」する「トップセールス」も効果も高そう(更には,自慢のノドをも披露もできるという副次的効果もある).
首長にとっては一挙両得(三得)にも結びつく蓋然性が想定されなくもなく,今後,他の自治体の首長の間でも,同様に同「財源」を巡る「良い競争」*5が展開されると興味深い(むしろ,それを機に,個人的には,地方三団体の各地方レベル,そして,その勝者からなる総会レベルで首長同士のノド自慢大会が開催されると,怖いもの見たさで見てみたいような気もしないでもないですが).

*1:大西ユカリ『ウェルカム大阪』(首長なのに,インディーズレーベルからの販売というのも,また渋い)

ウェルカム大阪

ウェルカム大阪

*2:スポーツニッポン新聞(2009年4月6日付)「大西ユカリとデュエットで、平松大阪市長“デビュー”

*3:松本英昭『新版 逐条地方自治法第5次改訂版』(学陽書房,2009年)480頁

新版 逐条地方自治法

新版 逐条地方自治法

*4:大森彌『現代日本地方自治』(放送大学出版会,1995年)120頁

現代日本の地方自治

現代日本の地方自治

*5:佐藤主光『地方財政論入門』(新世社,2009年)105頁

地方財政論入門 (経済学叢書Introductory)

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