自治体の公式サイトの使いやすさを調べている民間会社「ユニバーサルワークス」(静岡県三島市)が発表した本年度の調査結果で、全国の十八政令市で川崎市のサイトが最低レベルだったことが分かった。視覚障害者らへの配慮のなさが浮き彫りになった調査結果に、市の担当者は「改善したいが、予算が…」と言葉を濁している。 (北条香子)
 同社は二〇〇三年から、都道府県や政令市のサイトの利用しやすさを、五十項目でチェックして数値化。自治体サイトは生活に必要な情報を発信するだけに、視覚障害者も含めて市民が使いやすいかを、「音声化対応」や「操作性」「レイアウト」など五項目で評価している。
 今回も視覚障害者を含めたスタッフらが八月に調査を実施。今月一日に公開された調査結果によると、川崎市のサイトは、五点満点でいずれも三点以下、「音声化対応」など二分野で一点と診断された。政令市でも神戸や福岡、浜松市がいずれの分野も四、五点と高評価。同じ“低レベル”に位置する横浜市が二、三点にとどまるのに比べ、さらに低い評価となっている。同社の清家順代表は「調査結果をサイト作りの参考にしてほしい」と指摘する。
 実際、同社では毎回、調査結果を各自治体に郵送しており、その後、サイトを改善した自治体も少なくない。川崎市シティセールス・広報室の担当者は「サイト作成のガイドラインはあるが、各部局の担当者の裁量に任せている部分が大きい。確かに市民の利用しやすさへの配慮は徹底できていない」と認める。その一方で「リニューアルには費用がかかり、これまでも予算要求はしているが、緊急性がないと却下されてしまった。できる範囲で対応していきたいが…」と話した。

同記事では,都道府県・政令指定都市特別区における公式サイトの「アクセスしやすさ」の調査結果を紹介.
同調査結果については,同社HPを参照*1.50の調査項目を下に,「全盲視覚障害者など当社テスターが実際にWebサイトにアクセス」され,「別途定めた採点基準によって採点」,その採点結果について,「「音声化対応」「操作性」「可読性」「レイアウト」「汎用性」に分類」*2されている.2003年から実施されていることもあり,この間の各自治体の公式サイトへの取組の変遷が分る.
ほぼ毎日,何処かの自治体の公式サイトにはアクセスし,制度情報を中心に拝読させて頂いている「消費者」の一人である下名にとっては,「アクセス」面に関する,いわば「ミシュラン」的な調査結果(「コンテンツ」面での「ミシュラン」もあるとよいのですが).調査結果には,「そうそう」,「そうなあ」と思いつつ拝読.特に,同調査をもとにした各自治体サイトへの「コメント」*3は,(やや辛辣ではありますが)経過観察記録と処置法も明記されており,有益な調査結果.