千葉市はこのほど、職員の子どもら家族による職場訪問を実施した。参加者は出勤簿押印や“人事発令”を体験するとともに市役所の見学などを楽しんだ。
 市職員の子育て支援、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の推進を目的とした初の試み。職員26人の子ども(小学生)39人と配偶者6人が参加した。午前8時半に各職場へ出勤すると、出勤簿に押印して市長室で人事発令。議場や展望室など庁舎内を見て回った。9階正庁で行われた「市長への質問コーナー」では、子どもたちが「どうして市長になったのか」「小さいころは何になりたかったか」など積極的に尋ね、活気にあふれた雰囲気だった。
 市給与課は参加者へのアンケートを実施し、今後の取り組みに生かしていくという。

本記事では,千葉市における同市職員家族の職場訪問の取組を紹介.
2010年7月21日付の本備忘録で取り上げた同市における「子どもの職場探検&ランチミーティング」の取組に加えて,本記事を拝読すると,「職員の子育て支援」の一環として実施された模様.前者の取組に関しては「子どもの市政参画」と同市では位置づけられていることに倣えば,本取組は,「(職員の)子どもの職場参画」とも整理できそう.同支援の取組については,同市が策定された『千葉市職員の子育て支援計画』を参照*1
「内側の視点からの観察」*2に止まらず,家族という外部の視点からの観察を通じて,「職場優先の環境」の「是正」*3されることが企図されているのだろうか.「仕事も家庭も子育ても一度全部混ぜ,その中で新しい共同性をつくってい」*4くことが公務の職場でも可能となるかは判然とはしないものの,「千葉市という一事業所」*5における本取組の効果は,興味深そう.

*1:千葉市HP(総務局総務部給与課千葉市職員の子育て支援計画)『千葉市職員の子育て支援計画』(千葉市,平成22年4月1日)

*2:明石照久『自治エスノグラフィー』(信山社,2002年)20頁

*3:前掲注1・千葉市千葉市職員の子育て支援計画)4頁

*4:東浩紀宮台真司『父として考える』(日本放送出版協会,2010年)98頁

父として考える (生活人新書)

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*5:前掲注1・千葉市千葉市職員の子育て支援計画)はじめに