千葉市は、HP(ホームページ)の見やすさ、探しやすさの向上へボランティアと協働したリニューアルに乗り出す。民間の先進的ノウハウを反映させるため企画案を受け付けるコンテストを実施、優勝者を「ボランティア」に決定。市広報課は「自治体HPのリニューアルで民間ボランティアと協働した例はないのでは」としている。
 現在の市HPは運用を民間に委託しているが、作りそのものが古く、市民からは「見づらい」「目的場所にたどり着きにくい」などの意見のほか、リンク切れが発生するなどの問題点も。「WEBボランティア」を活用したリニューアルは熊谷俊人市長がマニフェストに掲げているもので、使いやすさや探しやすさなどの向上へ市民視点や民間ノウハウを反映させるのが狙い。
 コンテストでは、トップページなどポータル部分の見せ方や動画の活用、必要とする情報へのアクセスなどのほか、継続性、市民参加型−といった項目について提案を受け付ける。応募対象は、市内外を問わず、ホームページの制作や運用に携わった豊富な経験を有する個人、団体または企業。応募方法など問い合わせは同課、電話043(245)5013まで。

本記事では,千葉市におけるホームページ刷新をコンテスト方式により実施する取組を紹介.同取組に関しては,同市HPを紹介*1
コンテストへの応募資格は,「市内外」に関わらず「ホームページの制作や運用に携わった豊富な経験を有する個人,団体または企業」.応募資格を有する方による「提案」を受けて,まずは,「提出書類により,コンテスト進出対象者を3〜4人決定」を行う「第1次審査」,次いで,「プレゼンテーションにより優勝・準優勝・優秀賞を決定」する「第2次審査」により審査され,「優勝1組」,「準優勝1組」,「優秀賞1組」を確定し,それぞれに,賞金が「10万円」,5万円,「3万円」*2が支払われる.そして,同コンテストの「優勝者はボランティア」として同「市と役割分担,参画の場所・方法,報償額などについて協議の上」で「ホーページ」への「リニューアル案の作成に参加」されることを予定とされている.ただ,「優勝者がボランティアとしての参画を辞退した場合」には上記「賞金は支払われない」とも規定されており,賞金を獲得した優勝者は自ずから,「リニューアル案の作成」には,他の「構想から技術的な仕様書の作成までを協働」により「ボランティア」との「協働」*3への参画を促す,選択構造としても整備されている模様.なお,同作成のボランティアは,無償ではなく,「協働における役割分担,成果物などを予め市と協議」により「その内容に応じ」「総額30万円を上限」とした,「謝礼金の額」が「決定」され「協働終了後に支払」*4われる,ともある.
同コンテスト後の「リニューアル案」作成による「協働」における「役割分担」*5に際して,同市側の「役割」としては,「中心となって調整を図る」*6ことに徹されることを想定されているのだろうか.ただ,今回の協働により,一遍限りの伝承に止まらず,「組織関学習」の「仕組み」*7としても利活用され得るとも想定されなく,同市の役割に関しては,要確認.

*1:千葉市HP(総合政策局市民自治推進部:広報課)「千葉市ホームページリニューアル提案コンテストについて

*2:千葉市HP(総合政策局市民自治推進部:広報課千葉市ホームページリニューアル提案コンテストについて)「千葉市ホームページリニューアル提案コンテスト実施要領」(千葉市総合政策局市民自治推進部広報課,平成22年10月25日)2頁

*3:前掲注2・千葉市千葉市ホームページリニューアル提案コンテスト実施要領)3頁

*4:前掲注2・千葉市千葉市ホームページリニューアル提案コンテスト実施要領)3頁

*5:前掲注2・千葉市千葉市ホームページリニューアル提案コンテスト実施要領)3頁

*6:稲生信男『協働の行政学』(勁草書房,2010年)49頁

協働の行政学―公共領域の組織過程論

協働の行政学―公共領域の組織過程論

*7:若林直樹『ネットワーク組織』(有斐閣,2009年)101頁

ネットワーク組織―社会ネットワーク論からの新たな組織像

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