大阪府橋下徹知事が6日、昨年11月から第2庁舎として利用される咲洲庁舎(旧WTC、大阪市住之江区)での執務を本格的にスタートした。
 企業の役員会にあたる「部長会議」を初めて開き、「今後は2対3ぐらいの比率(週2日)で、こちらに詰めたい」と意気込んだ。ただ、府議会は過去2度、本庁舎移転を否決しており、府議らは「本庁舎移転を既成事実化しようとしている」と批判した。「ここは大阪のシンボルタワー。幹部には、関西を見渡し、海の向こうのアジアを意識しながら仕事ができるという環境の良さを感じてほしい」。大阪湾を望む55階建ての咲洲庁舎に登庁した橋下知事は、出張会議の狙いをこう語った。幹部約30人が出席する部長会議は月2回の定例で、この日は、予算編成方針などを協議。今後も同庁舎での開催を検討するという。今春までに出先を除く全職員の4割(計約2000人)が移転する予定で、知事の執務室も設けられる。

本記事では,大阪府咲洲庁舎での同府知事の執務開始に関して紹介.2008年8月4日付の本備忘録で,その報道を取り上げた庁舎移転検討の結果.同庁舎に関しては,同府HPを参照*1
同庁舎に配置されている部課としては,「総務部」では「税務室」「財産活用課」「統計課(統計資料室)」そして「庁舎管理課分室」,「府民文化部」では「府民文化総務課」「私学・大学課」「男女共同参画NPO課」「人権室」「都市魅力創造局」そして「大阪マラソン事務局」,「商工労働部」は「商工労働総務課」「企業誘致推進課」「新エネルギー産業課」「商工振興室」「金融支援課」「貸金業対策課」「雇用推進室」「バイオ振興課」,「環境農林水産部」は「環境農林水産総務課」「検査指導課」「みどり都市環境室」「循環型社会推進室」「環境管理室」「農政室」「流通対策室」「水産課」「動物愛護畜産課」,「住宅まちづくり部」では「住宅まちづくり総務課」「居住企画課」「建築指導室」「建築振興課」「住宅経営室」「公共建築室」「タウン推進室(分室)」,「教育委員会事務局」では「文化財保護課」,「人事委員会事務局(職員総合相談センター)」,「収用委員会事務局」,「海区漁業調整委員会」,また「政策企画部」では「府市共同チーム」が配置されている.
同府の機構*2との対比でみてみると,総務部は13課室中4課室,府民文化部は6課局中5課局,商工労働部は全8課室,環境農林水産部も全9課室,住宅まちづくり部も全7課室,教育委員会事務局は9課室中1課,人事委員会事務局(職員総合相談センター),収用委員会事務局,海区漁業調整委員会は全てとなる.危機管理監,政策企画部,福祉部,健康医療部,都市整備部は,同庁舎以外での,いわゆる「たこ足回線」*3)庁舎化とされている.地方自治法第4条第1項にいう「地方公共団体」の「事務所」には,「住民の利便に最も適合するように,交通の事情,他の官公署との関係等を考慮すべき」*4とされるものの,ではその「事務所」とは具体的に何を指すかは,正直なところ,下名はうまく整理ができていない.地方自治法第4条第1項でいう「事務所」とは「その主たる事務所」*5とも解されるものの,果たして,その「主たる」という性能が想定される具体的な庁舎とは,何か.2008年12月7日付の本備忘録において項目立てを試みた本備忘録の妄想的・断続的観察課題のひとつ「庁舎管理の行政学」の観点(「第1章:建築と維持のポリティクス」又は「第4章:執務と憩いの空間としての庁舎」でしょか)からも考えてみたい課題.

*1:大阪府HP(府政運営・市町村計画・指針・報告書等)「咲洲庁舎への移転部局等に関する情報

*2:大阪府HP「府庁の組織でさがす

*3:鈴木俊一『官を生きる』(都市出版,1999年)392頁

官を生きる―鈴木俊一回顧録

官を生きる―鈴木俊一回顧録

*4:松本英昭『新版 逐条地方自治法第5次改訂版』(学陽書房,2009年)65頁

新版 逐条地方自治法

新版 逐条地方自治法

*5:前掲注4・松本英昭2009年:65頁