千葉県・市川市役所で、市役所機能が本庁舎以外の建物に分かれる“分散庁舎”状態が続いている。
 今年5月には、新庁舎建設に伴い、福祉部の一部と教育委員会南八幡仮設庁舎(同市南八幡)に移転し、本庁舎以外の建物は、過去最多の12となった。2020年5月の新第1庁舎の供用開始まで、分散状態は続き、市民も職員も不便を強いられそうだ。市内の男性会社員(53)は最近、市役所に観光パンフレットをもらいに行ったところ、担当課が別の建物に移転したと伝えられた。男性の目指した観光交流推進課は昨年秋、本庁舎から西に数百メートル離れたグランドターミナルタワー本八幡に移転。「(別の建物まで)5分ほどでしたが歩きました。移転なんて知りませんでした」と苦笑する。市役所では昨秋から今年5月にかけて、20以上の部署の移動が続いたが、すべて新庁舎建設に伴うもの。
 新庁舎(第1、第2)建設は、現本庁舎(第1〜3)の老朽化と耐震不足の解消、本庁舎以外で8か所に分散していた市役所機能の集約が目的。一方、建設に向け部署の移動も多く、現在、各部署が入居する建物は12にも上っている。本庁舎内だが3階から4階に移った広報広聴課で作る「広報いちかわ」の編集後記でも、「移転当初は慣れないことが多かったのですが、今ではすっかり慣れてきています」と書かれるなど、職員の負担感もゼロではなさそう。同市では、転入・転出などに伴う窓口業務などは、現本庁舎の解体工事が始まる17年中頃まで移転しないなど、市民サービスへの影響をできる限り抑えたいという。
 同市では今年4月から、「市民にやさしい市役所」推進プロジェクトを始めたが、「接遇日本一」を目指すこの取り組みも、「ハードの部分で市民の皆さんに迷惑をかけており、それを上回るソフト(接遇)が職員に求められている」(大久保博市長)ことからスタートした。現本庁舎から約1キロ・メートル離れた南分庁舎のある場所で新築される新第2庁舎の17年度の完成後、分散状態は徐々に解消に向かう見通しという。(平山徹)
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 市は29日午後2時、本庁舎3階で新庁舎への建て替えに関する基本設計の中間報告会を開く。先着100人。

本記事では,市川市における庁舎移転の取組を紹介.
「市役所の本庁舎建て替え」に伴い「執務室を順次移転」*1を進めている同市.「本庁舎建て替えの検討」段階では,本庁舎以外には「本八幡分庁舎」と「南分庁舎の2カ所の分庁」を加えると「周辺だけでも7カ所に分散して行っている状況」*2にあった模様.「本庁舎」も含めた「執務室移転先」*3は,本記事によると「12」の施設内へと執務室毎の「機能別」に「分立」*4されている模様.本記事が紹介する庁舎を利用する住民に取っての利便性はもちろん,勤務する職員の方々の間での連絡調整等の執務状況もまた,要確認.

*1:市川市HP(市政情報施設のお知らせ本庁舎・支所・出張所・窓口本庁舎・分庁舎)「庁舎執務室の移転に関するお知らせ

*2:市川市HP(市政情報市政の運営新庁舎建設新庁舎建設)「本庁舎建て替えの検討状況について

*3:前掲注1・市川市(庁舎執務室の移転に関するお知らせ)

*4:金井利之「空間管理」森田朗編『行政学の基礎』(岩波書店,1998年)166頁

行政学の基礎

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