「つぶやいて一関の情報発信を」。勝部修市長は11日の庁議で、幹部職員27人に140字以内の短文を掲載する交流サイト「Twitter(ツイッター)」を利用し情報収集、発信することを指示した。
 ツイッターを駆使する勝部市長は「誰かのつぶやきを見ることで情報収集の面でも優れている」と強調。「管理職は気付いた時に情報発信する意識を持ってほしい」と求める。だが、職員の受け止めはさまざま。「いろんな情報が収集できる」と肯定的な意見がある半面、「アカウントの意味さえ分からない」と戸惑いの声も。ツイッター利用者の職員は「使い方次第で市民の考えや担当分野の最新情報を得られ情報共有も可能」と優位点を挙げる。一方で「収集、発信する情報の種類に悩む」「どこにアクセスすればいいかも見当がつかない」と頭を抱える職員も多い。「時代の流れだし、広報より迅速なのは確か。やってるうちに見えてくるかも」(50代男性職員)。新たな情報収集、発信は手探りのスタート。

同記事では,一関市に設置された庁議において,同市長より幹部職員の皆さんtwitter利用への指示があったことを紹介.本記事でも紹介されているように,同市長さんも「公式twitter(ツイッター)」*1として,ご利用されていることを踏まえてのご指示の模様.
2009年10月23日付の本備忘録にて記した,下名の中心的観察課題である「自治体内会議体」の観点からも,同市の「一関市庁議運営規程」を拝読させて頂くと,同市の庁議は同規程第2条において「市行政運営に係る基本方針の決定に関すること」「重要施策及びその基本的な執行計画の決定並びに総合調整に関すること」「議会に提出する案件の決定その他議会に係る主要な事項の決定及び調整に関すること」「前3号に定めるもののほか,市行政運営の重要事項に関すること」*2を審議する場として規定されている.「重要な意思決定」は「全て会議の場で集団的におこなわれている」*3とされる場合,本記事で指示されたtwitterの利用を通じた「情報収集」は,まさに「能動的情報資源調達」*4として,「市行政運営の重要事項に関すること」として審議,指示されていたのだろうか.興味深い.
その「審議案件」に関しては,「庁議の構成員は,所管する事務について庁議に提出すべき案件があるとき」は「その要旨及び資料を付議しようとする庁議の開催の日前3日(その日が休日に当たるときは、その前日)までに企画調整課長に送付しなければならない」とされている」.2011年1月9日付の本備忘録でも取り上げた,各部門長による付議経路以外,つまり,首長自らからの付議提出の経路・手続の運営状況も,観察対象としては興味深そう.

*1:一関市HP「市長室から

*2:一関市HP「一関市庁議運営規程」(平成17年9月20日,訓令第1号)

*3:西尾勝行政学 新版』(有斐閣,2001年)315頁

行政学

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*4:城山英明「情報活動」森田朗編『行政学の基礎』(岩波書店,1998年)271頁

行政学の基礎

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