京都市が観光客に対して初めて行った京都観光の「残念度」調査で、4割近くが「残念に思ったことがある」と回答した。具体的な事例では市バスなどの「公共交通」が2番目に多く、市は「市交通局も含めた事業者に協力を求めていきたい」としている。
 市が昨年3月に策定した「未来・京都観光振興計画2010+5」の施策に生かすため昨年4〜9月に京都駅や観光駐車場などで1600人にアンケートを実施。残念度や満足度などを聞いた。残念に感じたと答えた37%に具体的な事例を聞いたところ、トップは「暑い」「雨が降った」など気候が11・1%。次いで「バス、タクシー運転手の態度が悪い」「バスの運転が荒い」など公共交通が5・4%、「車のマナーが悪い」「道が混んでいた」など交通状況が4・8%だった。また満足度については、「大変満足」が18・8%、「満足」が50・5%と7割近くが満足と回答。項目別の評価は、寺院・神社が40・4%、自然・風景が35・5%と高かった一方、土産店の従業員のもてなしが17・2%、公共交通が13・6%、交通状況が6・4%にとどまった。
 市観光企画課は「総合的な満足度が高い半面、課題が多いことも分かった。関係機関と連携して京都観光の質アップを目指したい」としている。

本記事では,京都市における同市への観光客に対する意識調査の結果を紹介.同市が2010年3月に策定された「未来・京都観光振興計画2010+5」*1の「進行管理や評価に活用するため」に「京都観光総合調査」を実施.同調査の結果も同市HPを参照*2.同調査では,同市への観光による「感動度」「個別満足度」に加えて,本記事にて紹介されているように,「残念度」も質問された模様(ユニークですね).
勿論,同市への観光の場合,その「総合満足度」は「7段階評価の最高の7と評価された方が約2割」,「6と評価をされた方も5割」*3と,高い満足度にあることが前提とされるなかでの同調査結果.
同調査結果を拝読させて頂くと,「京都観光で残念に思ったことがあったか」という質問が設計され,その結果,まずは「37%」がそのように思うことが「あった」として,具体的構成の「割合」は,「気候」が「11.1%」,次いで「電車,バスなどの公共交通機関」が「5.4%」,第3に「交通状況(道路の渋滞等)」の「4.8%」,その後は,「目当てのものを見られなかった」「2.2%」,「時間が足りなかった」が「2.2%」*4にある.
「公共交通機関」はまさに同市としての対応が可能な部分ではあるものの,一方で,気候という自然要因が最が高く,観光客の行動に起因するとも想定される要因もその「残念度」を高めている様子も窺える.同市として「残念度」を「満足度」へと高めるために,その「足りん分は知恵と工夫」*5で管理することは一概には容易ではないことをも想定されそう(なお,同速報値,同調査結果に掲載されている「残念に感じたこと」の「分類」の「割合」は,合算させて頂くと,31.6%となり,これは,「37%」の「残念度」の構成比に当たるのか,それとも,「37%」を分割したものであるか(その他の分類もあるのでしょうか),寝起きに同資料を拝読させて頂いているためか,今一つよく整理できませんが,どちらなのでしょうか,要確認).

*1:京都市HP(市の組織産業観光局各課の窓口観光企画課広報発表)「未来・京都観光振興計画2010+5」及び「京都市MICE戦略」の策定について

*2:京都市HP(市の組織産業観光局各課の窓口観光企画課広報発表京都観光総合調査の速報値について(平成23年3月10日))「広報資料 京都観光総合調査の速報値について」(平成23年3月10日,産業観光局)(どのような対象者に対して,どれ位の回答者回収率があった調査だったのでしょうか,要確認)

*3:前掲注2・京都市(広報資料 京都観光総合調査の速報値について)1頁

*4:前掲注2・京都市(広報資料 京都観光総合調査の速報値について)3頁

*5:有川浩県庁おもてなし課』(角川書店,2011年)262頁

県庁おもてなし課

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