仙台市は6月1日、市役所本庁と周辺庁舎に勤務する職員約2000人を対象に、昼休みを45分間から1時間へ試験的に拡大する。昼休みは2007年に短縮されたが、ランチタイムの売り上げ減を懸念した近隣の飲食店の要望を受け、元に戻した形。東日本大震災で、4月の開始予定を2カ月延期していた。
 国が公務員の厚遇批判を契機に有給休息時間を廃止したのを受け、市は07年12月、午後0時45分〜1時の有給休息時間を廃止。昼休みは正午からの45分間になったため、本庁舎では昼食を地下の食堂や弁当で済ませたり、店に予約したりする職員が増えた。客足が遠のくことを懸念した周辺の商店街と町内会6団体は08年2月に、仙台商工会議所は10年10月にそれぞれ、昼休みを1時間に戻すよう市に要望していた。市が08年8月に実施した職員アンケートでは、1時間への支持が約55%で、45分間は約41%だった。
 こうした状況を踏まえ、市当局は昼休みを原則1時間として試行する方針を労働組合に提案し、今年3月の交渉でいったん合意。直後の大震災発生で先送りされ、職員の勤務状況が落ち着き始めたとして、6月からの運用が決まった。試行に伴い終業時間も15分繰り下がるため、育児や介護、通院などの理由がある場合は、昼休みを45分間に据え置く特例も認めた。市への要望活動を展開した一人で、定禅寺通街づくり協議会事務局長の米竹隆さん(69)は「商店街にとって朗報。職員も昼休みの選択肢が広がり、午後の仕事の英気を養う助けになるのではないか」と話している。

本記事では,仙台市における昼休み時間の拡大の取組について紹介.
限られたお昼の休憩時間となると,概ね「どの店もその時間帯は行列ができ」てしまい,その結果,「並ぶ」ことで「昼休みを無駄にしてしまう」*1懸念もある.節電対策の一環ではあるものの,2011年5月18日付の神奈川新聞に報道されていた,横浜市川崎市相模原市と神奈川県では,電力需要を見込での「同1〜3時の間に昼休み」*2の取組は,これらのお昼休みの時間の無駄解消にも一定の効果がありそう.一方,同市の取組では,そのような行列のための時間解消も副次的には期待できそうではあるものの,本記事を拝読させて頂くと,何よりも行列を再度呼び起こすことを企図されて,休憩時間の延伸化の試行がなされる模様.なるほど.
ただ,同市の「職員の勤務時間、休暇等に関する条例」第6条を拝読すると,「任命権者」は「正規の勤務時間」が「六時間を超える場合は少なくとも四十五分」,「八時間を超える場合は一時間の休憩時間を,それぞれ正規の勤務時間の途中に置かなければならない」*3とも規定.この延伸分は,「少なくとも」の中に含まれるものとして理解することが適当なのか,それとも,今後,同条例が改正されることになるか,休憩時間の延伸化による行列の登場の有無とともに,これらもまた,要経過観察.

*1:久保田崇『官僚に学ぶ仕事術』(毎日コミュニケーションズ,2011年)60頁

*2:神奈川新聞(2011年5月18日付)「節電15%全県挙げチャレンジ、夏至の午後に取り組みを/神奈川

*3:仙台市HP(仙台市例規)「職員の勤務時間、休暇等に関する条例」(平成七年三月一六日,仙台市条例第六号)