高齢化の進展など地域が抱える課題の解決に向けて自治会と行政、地元にあるNPO法人などの団体が連携して活動する千葉県のモデル事業に、千葉市内の2地区が選ばれた。3者が地域の課題の洗い出しから始め、解決策を導き出す。市では2地区の取り組みを参考にして、市内各地の地域再生に役立てる方針だ。
 千葉市市民自治推進課によると、県の「連携・協働による地域課題解決モデル事業」に選ばれたのは、松ケ丘中学校区(中央区)と幸町第2中学校区(美浜区)の取り組み。郊外にあり一戸建て住宅が多い松ケ丘では、自治会と淑徳大学、市が協力して「安全・安心のまちづくり」を目指す。新旧の集合住宅が密集する幸町は、自治会とNPO法人「ちば市民活動・市民事業サポートクラブ」、市が連携して「安心と生きがいのあるまちに再生」を図る。

本記事では,千葉県における「連携・協働による地域課題解決モデル事業」の取組に関する選考結果を紹介.同取組に関しては,同県HPを参照*1
同取組では,「地域からの提案等をもとに」「NPO等と市町村が連携」又は「NPO等と市町村を含む協議体」が「地域の多様な主体が連携・協働して地域課題の解決に向けて取り組む会議体」である「円卓会議」を設置し,「地域課題解決の取組みを進める」ことを目的とした「モデル事業」*2.「募集内容」は,大別すると2種類に分かれ,ひとつは「市町村が抱える地域社会の課題解決のため」の「企画提案」を募集するもの,もう一つは,同「県が抱える都市部,中間部,農村部の各地域ごとに共通する人口減少・少子高齢化に伴う人口構造の変化による問題」に関する「企画提案を募集」するものと分分かれている.前者では,募集テーマは,各提案者の自由度が高く,一方,後者は,揺るかではあるもののテーマを設定されていた模様.
また,そのためか,選定後手続では,「事業に助成」*3される一方で,後者は「事業を委託」*4する方式を採用されている.具体的な助成・委託内容は,前者では,更に3つのコースに分かれており,一つめは「協働事業の検討・活動基盤整備コース」として「上限300万円,下限100万円」で「2事業」,二つめは「協働事業実施コース」として「上限500万円,下限100万円」を「4事業」,三つめは「協働事業実施・活動基盤整備コース」として「上限700万円,下限100万円」を「2事業」*5と,それぞれの採択を当初予定.後者は,「上限300万円,下限100万円」を「3事業」*6の採択を当初予定.同県HPを拝読させて頂くと,同取組に対して「23事業」の応募があり,前者はあわせて「10事業」,後者は「3事業」と「13事業」*7を採択.本記事では,これらの採択された事業のうち,前者と後者のそれぞれに該当.
いずれにおいても「円卓会議」*8の設置を前提とされる点が,極めて興味深い.実際の「円卓会議」の運営状況は,要確認.ただし,もちろん各会議を通じて「地域課題の解決」を図られることが望ましいものの,時に地域課題が未完となった場合,「パートナーシップ疲れ」*9に陥ることなく,いかに継続されていくかもまた肝要そう.同取組の実施状況も,要確認.

*1:千葉県HP(県政情報組織・行財政組織・職員組織としごと環境生活県民交流・文化課新着情報)「平成23年度連携・協働による地域課題解決モデル事業募集要項

*2:前掲注1・千葉県(平成23年度連携・協働による地域課題解決モデル事業募集要項)1頁

*3:前掲注1・千葉県(平成23年度連携・協働による地域課題解決モデル事業募集要項)3頁

*4:前掲注1・千葉県(平成23年度連携・協働による地域課題解決モデル事業募集要項)4頁

*5:前掲注1・千葉県(平成23年度連携・協働による地域課題解決モデル事業募集要項)3頁

*6:前掲注1・千葉県(平成23年度連携・協働による地域課題解決モデル事業募集要項)4頁

*7:千葉県HP(イベント・公募情報委員・協力者・団体募集「平成23年度連携・協働による地域課題解決モデル事業」の募集について)「連携・協働による地域課題解決モデル事業の選考結果

*8:前掲注1・千葉県(平成23年度連携・協働による地域課題解決モデル事業募集要項)5頁

*9:永田祐『ローカル・ガバナンスと参加』(中央法規,2011年)101頁