県と県内NPOが連携し、「熊本版エコポイント」(仮称)の導入を検討していることが18日、分かった。家庭で温室効果ガス削減などに取り組んだ県民にエコポイント券を与え、協賛企業の商品購入や特典を受けられるようにする。2011年度に実証実験に入り、12年度の本格運用を目指す。都道府県単位のエコポイント制度は京都府静岡県で試みられているが、九州では初めて。
 この構想は、NPO法人くまもと温暖化対策センター(宮原美智子理事長)が県との「協働事業」として提案。県設置の選定委員会が実現性や効果が見込めるとして採択した。県環境立県推進室と同センターによると、ポイントの対象となる行動は(1)環境家計簿の記録やエコ診断の実施(2)バス、市電など公共交通機関の利用(3)環境啓発イベント・学習会への参加−などを想定。太陽エネルギー利用設備の導入なども対象にならないか検討していく。
 どの行動が何ポイントに当たるかなどを詰め、付与されたポイント券は協賛する商店街、外食チェーン、コンビニ、公共交通機関などのサービスと交換できるようにする。サービス内容は商品との交換、商品購入時の割引、各店舗の既存のポイントカードへの加点など、企業の判断で設定する。協賛企業は11年度に150店程度、12年度以降はさらに広げ、県民の参加意欲を高める考えだ。ポイント券は県の支援を受けるNPOが、温暖化対策に取り組む市民団体、市町村、公共交通機関などの環境活動団体に広く交付。それらの団体が県民の行動報告に応じ配布する。国の家電エコポイント制度のように金銭的恩恵は大きくないものの、地域で多様なサービスに換えられ、協賛企業の顧客拡大効果も見込む。
 発案者の宮原理事長は「家庭での温暖化防止活動を推進するには、やった人が得する仕組みが効果的。しかも分かりやすく楽しいことが大切だ。国のエコポイント制度はお金が大手メーカーに還流していたが、熊本版エコポイントは地域経済に落ちるという特徴もある」と意義を話している。(編集委員 山口和也)

本記事では,熊本県における「熊本版エコポイント」導入の検討方針にあることを紹介.
同取組は,本記事にも紹介されているように,同県が実施されている「NPO協働提案事業」*1として,「課題に対して的確に対応しているか(的確性)」「行政にない発想や専門性・先駆性が生かされているか(専門性や独創性等)」,「事業を的確に遂行できる組織体制が整っているか(実効性)」「実現可能な事業であるか(実現性)」,「実行可能な計画が立てられているか(計画性)」「大きな事業成果が見込まれ,かつ,広く県民に還元されるか(普及)」*2と「選定基準」に基づき4名の選定委員により選定され,採択された提案を踏まえての具体化.興味深い.ポイント数等の詳細が確定後,要確認.
同事業が「委託事業として実施」されることもあり,「中心となって調整を図る」*3役回りは同NPOが担うことが想定されそう.一方,協働事業としての同県の役割は「支援」ともあり,本記事を拝読をさせて頂く限りでは,やや抑制的な模様.本記事内では,同NPOから「ポイント券」を交付される主体として,「温暖化対策に取り組む市民団体,市町村,公共交通機関などの環境活動団体」とも報道されていることからすれば,同県もまた「環境活動団体」なる範疇に含まれる主体として,「支援」のみならず,「ポイント券」の「付与」役へも協働実施されるのだろうか.こちらも,要確認.