川西市は、来年度の一般会計と5特別会計の当初予算案の編成過程を、市のホームページや市役所で公開する方針を明らかにした。事業ごとに担当部署の要求額、財政室による調整額、市長による査定額を千円単位で一覧表にして示す。情報公開が目的で、過程の公開は県内では加西市に次いで2例目。
 予算編成のプロセスは、10月末に市長が予算規模など大まかな方針を決め、11月下旬ごろ、各部署が事業ごとに予算要求する。1月中旬に財政室が金額を調整した上で、市長が査定して2月に予算案にまとめる。11月上旬以降、それぞれの段階で3日後をめどにホームページなどで公開する。市長の査定で金額を変えた場合は、理由も記載する。市議会にも公開するため、市議の意見を予算案に反映できるという。市財政室は「市民に税の使い方を見ていただくことが大切。予算編成を身近に感じてほしい」と話した。【高瀬浩平】

本記事では,川西市における予算編成過程の公表の取組を紹介.同市HPでは,現在のところ掲載されていない模様.掲載後,要確認.
「予算編成・執行への住民の直接参加なども行われつつあ」るものの,「近い将来には,予算編成あるいは査定過程で」「住民の視線が直接に入るようになるかもしれない」との見立てから「これらの動きは萌芽的」*1とも解されたこともある予算編成過程.存外,予算編成情報の公表の取組は広がりつつもある.「可視化」*2をされた予算編成情報をもとに,その視線を通じて,「地域によるガバナンス」*3による「規律付け」が如何に行われるか,要観察.

*1:金井利之『実践自治行政学』(第一法規,2010年)219頁

*2:大崎映二『歳入減少時代の市町村経営の実践的手法』(学陽書房,2010年)94頁

歳入減少時代の市町村経営の実践的手法

歳入減少時代の市町村経営の実践的手法

*3:喜多見富太郎『地方自治護送船団』(慈学社,2010年)242頁

地方自治護送船団―自治体経営規律の構造と改革

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