関西広域連合は10日、京都市内で連合委員会を開き、現行の連合委員会を「理事会」とすることを柱にした組織改編について合意した。東日本大震災の被災地で発生したがれきについては、処理方針やスケジュールなどを明確にするよう国に要請することを決めた。
 現行の連合委員会は、参加府県の知事による全会一致で意思決定しているが、合議制の理事会とすることで多数決が可能になる。統治体制に国が示す懸念を払拭、国出先機関の移管をスムーズに推進する狙いがある。決定責任者も形式上、連合長1人とされていたものを、各理事の総意と法的に位置付ける。災害など緊急時に限り、国に指示や権限代行を認めることでも一致した。理事会のもとで全事業を監督する「事務総長」ポストも新設。移管実現後に導入する。
 国側からは「広域連合は責任の所在が曖昧で、迅速な意思決定ができない」と指摘が出ていた。がれき処理では、受け入れ決定などには至らず、国への説明要請にとどまった。資源の再利用をめぐる放射性物質基準値で、法律と環境省ガイドラインに差があるとして、こうした点の説明も求める。連合長の井戸敏三兵庫県知事は「がれきの受け入れを前向きに検討したいが、処分場を持つ市町村などからの疑問に明確に答えられない状況だ」と説明した。〔共同〕。

本記事では,関西広域連合において理事会を設置される方針であることを紹介.
2011年8月4日付の本備忘録では,同広域連合議会への理事会設置に関して記録.方や,本記事では,現在,関西広域連合規約第15条に基づき「運営に当たって必要となる企画及び立案並びに総合調整に資するため」*1として,「広域連合に構成団体の長を委員とする合議機関」である「関西広域連合委員会」が設置.本記事では,委員会に代わり理事会を設置される方針であることが報道されている.
「執行機関としての理事会」に関しては,総務省に設置された地方行財政検討会議での審議を受けて,同省が2011年1月26日に取りまとめた『地方自治法の抜本見直し(平成22年)』で,「独任制の長に権限が集中することを懸念する声がある」として,「広域連合の長に代えて,執行機関としての理事会を置くことができることとする」*2とし,当初は「2011年通常国会に提出される予定」*3ではあったものの,その後,改正案は提出されず,現在,第30次地方制度調査会の第1回目の総会にて,地方自治法の一部改正事項として提出*4され審議.ただ,同事項に関しては,「原案のうち地方六団体との間で特に議論となってい」ない事項であると位置付けられたようでもあり,今後,他の「特に議論となっている」事項の審議,検討状況次第ではあるものの,「第177回国会提出」*5へと同法改正案として提出される模様.本記事で報道されている,同広域連合に設置される理事会は,果たして,同法改正案の成立を待つことなく設置されることを予定されているのだろうか.
なお,同広域連合の上記の規約では,同委員会の意思決定方式は,必ずしも明記はされてはいない.同委員会のサイトを拝読させて頂くと,「合議による組織運営」*6とも記載されているに止まる.本記事では,同委員会は「全会一致で意思決定」にて運営されてきたことが分かる.理事会へと移行に伴い,その意思決定方式を「多数決」方式へと移行もされることを企図されている模様.広域連合長から理事会への組織形態の移行は勿論独任制から合議制へと移行するための,意思決定方式の移行は分かるもの.ただ,現在の委員会方式から理事会方式への移行という合議制間からの移行に伴う,意思決定方式の移行に関する論理的帰結は,下名の理解が悪いのか,必ずしも判然とはしない(委員会方式では,多数決方式を採用することも考えられないものなのでしょうか).今後,設置される理事会とその意思決定方式の整備に関しては,要経過観察.