三島市は2日から、同市役所市民課のロビーに来庁者の案内を行うフロアマネジャーを配置した。
 スムーズな窓口対応を行うことが目的。ピンク色の腕章を着けた市民課職員が常に1人はロビーにいるよう配置し、市民へのサービス説明などを行っている。年度初めで窓口業務が混雑した初日、フロアマネジャーは市民から用件を聞き、目的の窓口に案内したり、来庁者の申請書の記入サポートなどを行ったりした。市民課は「分かりやすく、使いやすく、心地よく、お待たせしない窓口を目指したい」としている。同市は10月には、各種税証明の窓口を市民課フロアに増設するなど、フロアのリニューアルを行う予定。

本記事では,三島市における「フロアマネジャー」配置の取組を紹介.
2012年3月21日付の同市市長定例記者会見の記録を拝読させて頂くと,同職は,「来庁される方」の用件を聞き「目的の課へスムーズ」な移動や「市民課窓口での各種申請書の記入サポート」を目的に,同市庁舎1階の「市民課」の「ロビー」*1に配置.加えて,2012年10月からは「市民課フロア内に「各種税証明の窓口」を開設」,「窓口番号発券機の設置など」も行い,「市役所に来庁される全ての方々に,「わかりやすく」,「使いやすく」,「心地よく」,そして「お待たせしない」窓口となることを目指」*2される,という.
決して,一人の住民に「ある課がこれこれの指令を出し,他の方がまたべつの指令を出す,しかも,たがいに他の課のことを知らないでいるというようなこと」*3がないように,同職が起点とした「住民に向けた統合化」*4が図られている.ただ,その統合化の前段階では,標準化可能な事案もあれば,非標準的な事案もあるとすれば,同職を置くのみではなく,同職に就かれる方には,これまでの職務「経験を通して」獲得された「実践知」*5も必要となるのだろうか.同様の目的から配置されている「コンシェルジェ」*6,「フロアマネジャー」の職務経験等も分かると興味深そう.

*1:三島市HP(お問い合わせ先一覧)「市民課

*2:三島市HP(市長のページ市長定例記者会見)「市長定例記者会見(平成24年3月21日)で発表した内容(その1)

*3:フランツカフカ『城』(新潮文庫,1971年)104頁

城 (新潮文庫)

城 (新潮文庫)

*4:礒崎初仁・金井利之・伊藤正次『改訂版 ホーンブック地方自治』(北樹出版,2011年)183頁

ホーンブック 地方自治

ホーンブック 地方自治

*5:楠見孝「実践知の獲得」金井壽宏,楠見孝編『実践知』(有斐閣,2012年)34頁

実践知 -- エキスパートの知性

実践知 -- エキスパートの知性

*6:前傾注4・礒崎初仁・金井利之・伊藤正次2011年:183頁