【足利】市職員として本年度採用された20人が３日、昌平町の史跡足利学校で「論語の素読」に臨んだ。孔子の教えを通じて人間力を高めてもらおうと行われた研修で、新職員たちは真剣な表情で取り組んだ。
同学校論語素読運営委員長の須永美知夫さん（81）が講師を務めた。論語を一章ずつ読み上げた後、「見たり聞いたりしたものを自分なりに思考しなければ、学んだとはいえません」などと意味を解説した。職員たちはテキストを持ちながら聴き入り、須永さんに続いて、声をそろえて唱和した。研修は約１時間にわたって行われ、須永さんは最後に「足利を良くするために心掛けを持って頑張ってください」と激励した。
本記事では，足利市における新規採用職員研修の取組を紹介．
同市では，「史跡足利学校」にて，「日曜論語素読体験」*1や「論語素読の集い，小中学生の論語素読体験」等を開催する「論語素読事業」*2を実施．本記事を拝読させて頂くと，新規採用職員研修においても，『論語』の素読が行われた模様．同市HPでは，「己所欲不．勿施於人」*3と「人の身になること」*4を説く，5つの語句が素読可能なように表示されており，上記の集い等に参加することなくても，画面上での素読も可能としている．
論語の素読を行う新採研修を通じて，「テクノクラシーtechoncracyではなく，いわば道徳官僚ethicocracy」*5たる「組織人」*6となることも企図されているのだろうか．興味深い．
*1:足利市HP（組織でさがす：史跡足利学校事務所）「史跡足利学校『日曜論語素読体験』を紹介します」
*2:足利市HP（組織でさがす：史跡足利学校事務所）「史跡足利学校論語素読運営委員会」
*3:足利市HP（組織でさがす：史跡足利学校事務所）「論語の素読」
*4:宮崎市定『現代語訳 論語』（岩波書店，2000年）263頁
*5:渡辺浩『日本政治思想史 十七世紀〜十九世紀』（東京大学出版会，2010年）22頁
*6:桑田耕太郎・田尾雅夫『組織論 補訂版』（有斐閣，2010年）208頁
