保育所待機児童解消へ、民有地を活用して保育所整備を進めるため、川崎市は13日から、市内用地の募集を開始する。募集に先立ち、12日午前10時から、川崎市総合福祉センター(中原区下小田中)で説明会を開催する。公募は8月10日まで。
 本年度の募集は5カ所を予定している。公募後、審査を行い整備用地を決定。土地所有者が社会福祉法人を選定し保育所を整備する。条件は▽原則として市街化区域▽定員60人以上が可能な広さ▽近隣の了解が得られる▽2014年4月1日に開所できる―など。市は第2期市保育基本計画に基づき、保育所整備手法の一つとして「民有地借上型保育所整備事業」を推進。11年度は4カ所の整備が決まり、現在、開設準備を進めている。

本記事では,川崎市における「民有地借上型保育所整備事業」の募集開始を紹介.同事業に関しては,同市HPを参照*1
同事業の募集要項によると,まず,「土地所有者の応募資格」としては,同「市内」で,以下の整備用地としての「条件に適した土地を所有し,保育所を運営する社会福祉法人に当該土地を賃貸することができる個人または法人であること」,「市民税・固定資産税等の滞納がないこと」,「保育所を運営する社会福祉法人と20年以上の土地賃貸借契約(事業用定期借地権でも可)を締結できること」,「共有者がいる場合」「その了解が得られること」等が資格要件とされている次いで「保育所整備用地」に関しては,「原則として市街化区域であること」,「定員60人以上の認可保育所が整備可能な広さであること」として,具合的には「概ね500㎡以上」であること, 「平成26年4月1日に保育所が開設できること」更に「保育所の整備にあたり近隣の理解が得られること」を満たしていることが「条件」*2とされている.同事業はで,「民有地」が「保育所整備」地として選定された後に,「保育所の運営を希望する社会福祉法人を公募」,その後「土地所有者に紹介し」,「土地所有者」が「社会福祉法人を選定」*3する手順をとる.
自治体行政の役割が,自治体が直接空間確保と整備,運勢主体の確保を行う方式から,自治体は媒介役に留まり,空間の提供運営主体の確定と方式へと「シフト」*4するようでもあり,興味深い取組.既に2011年度には「4カ所の整備」は確定されている模様.土地所有者が候補地を提供することになるような,誘因構造も整備されているのだろうか.2012年度の募集状況も要確認.

*1:川崎市HP(新着更新情報一覧 保育所整備用地を募集します。)「平成24年度民有地借上型保育所整備事業募集要項

*2:前傾注1・川崎市平成24年度民有地借上型保育所整備事業募集要項)1頁

*3:前傾注1・川崎市平成24年度民有地借上型保育所整備事業募集要項)1頁

*4:西尾隆『現代行政学』(放送大学教育振興会,2012年)35頁

現代行政学 (放送大学教材)

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