東京都の舛添要一知事は31日、都有地を活用した保育所などの福祉施設整備を促すため、都有地賃料の減額措置を拡大すると発表した。民間事業者の負担を減らし、ニーズのある施設の増設につなげたい考えだ。
 都には、未利用の都有地を福祉目的で貸す事業があり、通常の賃料より50%減額する優遇措置を設けている。この措置について、地価に応じて減額率を高める仕組みを導入。保育所のほか、特別養護老人ホームや障害者施設の整備などを対象に8月にも開始する。

本記事では,東京都における都有地の活用方針を紹介.
2014年7月31日付の同都知事定例記者会見*1にて公表された「福祉インフラ整備のための土地活用検討チーム」*2による検討結果を踏まえての同方針.
同方針では,いわゆる「駅近」*3の「駅前や預けやすい所に作るのは当たり前」であるものの「そういう所は既に取られているので」*4として,「民間事業者に対して都有地を減額して貸し付ける福祉インフラ整備事業」を「一層の活用促進を図るため」に,新たに「減額方法」*5を規定.
具体的な方針は,現行「一律」「50%減額」のところを,新たに「土地価格が都内公示地価」の「過去5か年の平均」「34万円/平方メートル」を「上回る部分」は「減額率を90%に拡大」する.「保証金」は,現行「減額後」「貸付料月額」の「30か月分」「事業用定期借地の場合は12か月分」のところ,「新たな貸付料減額を保証金にも反映」し「区市町村が事業者の未払い賃料等を補償する場合には保証金を不要とする仕組みを追加」*6する.
また,同方針では,「民有地」に関しても「福祉インフラ整備の促進」への「インセンティブを強化するなどの検討を進め」「年度内」に「都市開発諸制度」の「改正」*7方針も規定する.こちらはさらに興味深い.
「一番のネックは,どこにあるかということよりも,地価が高い」*8ことへ配慮した同方針.今後の活用状況は,要観察.

*1:東京都HP(知事の部屋舛添知事記者会見)「舛添知事定例記者会見平成26年7月31日(木曜)

*2:東京都HP(これまでの報道発表2014年7月)「福祉インフラ整備のための土地活用検討チームによる土地活用方策のとりまとめについて

*3:猪熊弘子『「子育て」という政治』(株式会社KADOKAWA,2014年)74頁

*4:前掲注1・東京都(舛添知事定例記者会見平成26年7月31日(木曜))

*5:前掲注2・東京都(福祉インフラ整備のための土地活用検討チームによる土地活用方策のとりまとめについて)

*6:前掲注2・東京都(福祉インフラ整備のための土地活用検討チームによる土地活用方策のとりまとめについて)

*7:前掲注2・東京都(福祉インフラ整備のための土地活用検討チームによる土地活用方策のとりまとめについて)

*8:前掲注1・東京都(舛添知事定例記者会見平成26年7月31日(木曜))