水戸市は本年度実施する事務系職員の採用試験で初めて、ボランティア活動の経験者を対象とする特別選抜枠を設ける。1次試験の教養科目の替わりに、活動実績を記した書類による選考を行う。特別選抜枠の採用予定は2人程度で、来春の新卒者が対象となる。
 同市は社会貢献活動に携わる市民団体との協働を進めていることから、活動経験者の力を市政に反映しようと特別選抜枠を設けた。実績を書き込む自己アピールシートの提出に加え、大学・大学院からの推薦も条件とし、より優れた人材を求める。1982年4月2日以降の生まれで、本年度中に大学・大学院を卒業(修了)見込みであることが条件。応募要項は市のホームページに掲載している。募集開始は27日で、締め切りは8月10日。試験日は9月16、17日の2日間。問い合わせは市人事課職員採用担当TEL029(232)9120。

本記事では,水戸市における職員採用の取組を紹介.
同市では,「事務」の職種において「2名程度」の「特別選抜」枠を設置.1982年4月2日以降の「生まれ」であり,2012年度中に「大学・大学院を卒業(修了)見込みの方」を対象に,「地域活動やボランティア活動等で顕著な実績・成果を収め」,それらの方々のうち「大学または大学院から推薦を受けた方」を対象とした,同特別採用の「採用試験案内」を拝読させて頂くと,「地域活動やボランティア活動等での顕著な実績・成果」とは「地域における「祭り」」「まちの活性化のためのイベント」等」で「実行委員会の委員として運営に携わった等の特筆すべき実績」,「海外青年協力隊や災害時の救援活動等に自主的に参加した等の計画的な活動の中での一定の成果を指します」*1という.ボランティアという「非ルーティーンの問題」*2への対応経験を期待されているのだろうか.興味深い.
同特別枠では,上記の通り,「心身の健康状態」「学業に取り組む姿勢」「熱意・責任感」「行動力」「コミュニケーション能力・ 協調性」「大学における諸活動など」「その他特記事項」の7項目に関する「評価内容」を記した大学等からの「推薦書」*3の提出が求められている.また,あわせて,申請者からは「自己アピールシート」の事前提出が求められており,「自己PR」「水戸市職員を志望する理由」「水戸市職員として打ち込んでみたい仕事・分野」「私が考える水戸市の魅力」を記入するとともに,「これまでに行ってきた地域活動やボランティア活動の期間,活動における役割や大きな実績・成果」,「上記実績・成果に至るまでどのように努力し,どのような能力が培われたか」*4を明記することが求められている.「ボランティア活動」は各自の自己申請に基づくことなるものの,詳細な証明は難しそうか.実際の選考結果も要確認.

*1:水戸市HP(水戸市の職員採用情報:平成24年度水戸市職員採用試験(平成25年4月1日付採用))「平成24年水戸市職員採用試験案内(特別選抜採用)」1頁

*2:ドナルド・ケトル『なぜ政府は動けないのか: アメリカの失敗と次世代型政府の構想』(勁草書房,2011年)100頁

なぜ政府は動けないのか: アメリカの失敗と次世代型政府の構想

なぜ政府は動けないのか: アメリカの失敗と次世代型政府の構想

*3:水戸市HP(水戸市の職員採用情報:平成24年度水戸市職員採用試験(平成25年4月1日付採用))「平成24年度採用試験推薦書」

*4:水戸市HP(水戸市の職員採用情報:平成24年度水戸市職員採用試験(平成25年4月1日付採用))「水戸市職員採用試験自己アピールシート」