兵庫県明石市は12日、任期付専門職として新たに弁護士と司法修習生計4人を10月以降に採用すると発表した。勤務中の弁護士資格を持つ職員3人と合わせると計7人となり、東京都の9人に次ぐ人数で、市レベルでは全国最多となる見込み。
 同市は2012年度に弁護士職員の採用を開始。当初は5人が勤務していたが、13年度中に2人が自己都合で退職し、今年7月に2人程度を募集した。新たに採用する4人のうち、3人は管理職として、障害者・高齢者福祉やいじめ問題、市民からの相談などに対応する。1人は係長としてDV(夫婦間の暴力)対応などに当たる予定。任期は5年で、試験に合格すれば65歳まで更新できる。年間給与は7人で計約6600万円。
 兵庫県内では、県に2人、姫路、伊丹市に各1人の弁護士職員が勤務している。自身も弁護士の泉房穂市長は「弁護士職員は(投入した)税金以上の仕事ぶりで、非常にコストパフォーマンスがいい」と話しており、積極採用を進めている。(新開真理)

本記事では,明石市における組織内弁護士の配置の取組を紹介.
2011年12月21日付の本備忘録で記録した同市における同職配置の取組.「2名程度」*1の募集人数に対して,23名からの応募があり,うち21名が受験.4名が合格となる*22011年12月21日付の本備忘録当時での職務は「法務相談担当」と「コンプライアンス担当」としての募集ではあったものの,今回は「現在,籍する弁護士職員」が「多岐にわたる 業務に従事」されていることを踏まえてか「弁護士の専門性を発揮できる自治体業務全般」として募集.例えば,「出張法律相談,訪問相談」のような「市民向け法律相談」
「福祉等との連携による総合的支援」「条例や政策の立案」「職員向け法律相談」「職員の法務能力向上」「コンプライアンス施策」「法規等のチェック」「訴訟等対応」「債権管理・回収等」がある.また「さらなる活動分野の拡大と取り組みの強化」を想定されており,例えば「高齢者や障害者の権利擁護」「児童虐待の防止」「いじめ対策」「DV・ストーカー対策」「消費者の保護」*3が同職の職務とすることを検討されている.
「もっとも機能しているのは,日常の行政相談の領域」*4との観察結果もある自治体における組織内弁護士の配置.同市では何人迄配置されるのだろうか.要観察.

*1:明石市HP(市政情報採用情報職種一覧任期付職員(弁護士))「平成26年度実施 年度実施明石市任期付職員採用試験案内(弁護士)」2頁

*2:明石市HP(市政情報採用情報職種一覧試験結果)「職員採用試験実績

*3:前掲注1・明石市平成26年度実施 年度実施明石市任期付職員採用試験案内(弁護士))2頁

*4:柴田直子「第12章 政策法務と条例」柴田直子・松井望編著『地方自治論入門』(ミネルヴァ書房,2012年)261頁

地方自治論入門

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