都道府県を広域のブロックに再編する道州制の実現を目指す道州制推進知事・指定都市市長連合(共同代表・石井正弘岡山県知事、橋下徹大阪市長)がまとめた「道州制の基本的な制度設計と工程」試案の全容が12日判明した。
 道州と基礎自治体(市町村)の2層構造を原則とする一方、多様な大都市制度も容認し、道州から独立した大都市に事務や権限、財源を積極的に移譲できることを盛り込んだのが特徴。安定性のある新たな地方税体系構築へ向け「消費税の地方税化を有力な選択肢とする」と明記した。
 同連合は9道府県と15政令指定都市の首長が参加し4月に設立。高松市で開く18日の総会を経て、次期衆院選に向け各党にマニフェスト政権公約)へ反映させるよう働き掛けを強める方針だ。試案は、2013年通常国会までに道州制推進法を制定し、その後6〜8年以内に道州制に移行する工程を明記。「有効性を失った中央集権体制」を打破し、権限・財源の地方への大胆な移譲で多極型の「新しい国のかたち」を創造するとの理念を打ち出した。多様な大都市制度の容認は、横浜市名古屋市などの意向を尊重。原則、道州に内包するものの、独立も可能とした。
 中央府省の抵抗を排除する狙いで基礎自治体、道州、国の権限配分を調査、審議する第三者機関を法律に基づき設置するほか(1)幅広い自治立法権を持つ一院制の道州議会設置(2)国庫補助事業廃止(3)道州間の水平的財政調整を担う機関と「地方共有税」の創設検討―などの具体策を盛り込んだ。道州の区割りと“州都”の所在地は、地域住民の意思を反映するとの表現にとどめている。

本記事では,15政令指定都市と9府県から構成されてている「道州制推進知事・指定都市市長連合」*1における第2回総会の開催内容を紹介.
同連合では「政府・政党への提案・要請」「地域主権道州制の制度設計」「地域主権道州制の実現を目指す他団体との連携」「国民に向けた広報宣伝」を「活動内容」*2とされており,本記事では,同連合による「制度設計」の概要を紹介.概要は,2012年7月13日付の四国新聞をあわせて拝読させて頂くと*3,同日の岡山県の知事定例の「記者会見」*4にて紹介された模様.現在のところ,同記者会見の内容は掲載されていない模様.
本記事から整理をさせて頂くと「道州と基礎自治体(市町村)の2層構造を原則」し「地域別分権化」*5を鉄槌するよう,「幅広い自治立法権を持つ一院制の道州議会設置」すること,「国庫補助事業廃止」すること,「道州間の水平的財政調整を担う機関と「地方共有税」の創設検討」すること,そして,「多様な大都市制度も容認」し「道州から独立した大都市に事務や権限,財源を積極的に移譲できることを盛り込」むことが提案されている模様.「大都市制度」のみならず,分離独立した大都市地域を除く地域として,まさに多様な「道州」も整備されることにより,道州間,そして,大都市と道州間との「格差」*6の是正方策も提案されることになるのだろうか.公表後要確認.

*1:岡山県HP(組織で探す総合政策局地方分権推進課)「道州制推進知事・指定都市市長連合

*2:岡山県HP(組織で探す総合政策局地方分権推進課道州制推進知事・指定都市市長連合)「「道州制推進知事・指定都市市長連合」の概要

*3:四国新聞(2012年7月13日付)「政権公約に道州制案を 各党に働き掛け 石井知事

*4:岡山県HP(知事室のページ)「記者会見

*5:佐藤主光『地方財政論入門』(新世社,2009年)168頁

地方財政論入門 (経済学叢書Introductory)

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*6:礒崎初仁「地域主権改革と都道府県の改革構想」『月刊地方自治職員研修』634号,2012年7月号,17頁

地方自治職員研修 2012年 07月号 [雑誌]

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