呉市議会は16日、非公開の議会運営委員会を開き、定例会の一般質問のうち「個人質問」の時間を1時間から40分に短縮することを決めた。12月の定例会から適用する。
 この日の議運では、これまで散見された重複質問や個人的見解などを控え、質問内容を絞り込めば、1人40分の持ち時間で収まるとの結論を出した。同市議会の一般質問は、3人以上の議員で構成する会派の代表質問と個人質問がある。個人質問は誰でもできるが、実際はほとんど一人会派の議員が質問に立っている。同市議会では以前から「一人会派が優遇されている」との意見があり、10月の議運で神田隆彦議長が個人質問を1人40分か20分に縮める試案を提出。当時最大会派の同志会(林田浩秋幹事長)などは20分を主張したが、一人会派の反発や慎重意見もあり40分で落ち着いた。

本記事では,呉市議会における一般質問の時間変更の取組を紹介.
同市議会HPで紹介されている「会議の流れ」*1を拝見させて頂くと,一般質問のうち個人質問は「第4日」に開催.そして,呉市議会会議規則第52条にいう「議長は,必要があると認めるときは,あらかじめ発言時間を制限することができる」*2との規定に基づき,個人質問は,第1日目,2日目に開催されている代表質問とともに,60分が「持ち時間」と定められている模様.一方,本記事を拝読させて頂くと,同個人質問の時間を「実際はほとんど一人会派の議員が質問」する機会として運用される現状も紹介.「会派別名簿」*3も拝見させて頂くと,同市議会では10会派があり,そのうち,いわゆる一人会派は5会派.そのため,第1日目と第2日目は複数名が所属する会派が分けて質問をし,第4日目には一人会派の5会派が質問を行われることになる.
このような状況から,本記事では「「一人会派が優遇されている」との意見」があるとして,「議長が個人質問を1人40分か20分に縮める試案を提出」されたものの,質問時間の検討を経て,「一般質問のうち「個人質問」の時間を1時間から40分に短縮」する方針を採用することを報道.質問時間の短縮化を受けて,「議員の組織化」*4も進むこともあるのだろうか.会派の動向も要観察.

*1:呉市HP(トップページ(呉市議会)市議会のしくみ市議会の運営)「会議の流れ

*2:呉市HP(呉市例規集)「呉市議会会議規則」(昭和31年9月28日議会規則第1号)

*3:呉市HP(トップページ(呉市議会)市議会のしくみ市議会の運営)「会派別名簿

*4:曽我謙悟「政党・与党・知事与野党」『レヴァイアサン』51号,2012年秋,133頁

レヴァイアサン 51号(2012 秋) 特集:地方議員と政党組織

レヴァイアサン 51号(2012 秋) 特集:地方議員と政党組織