東日本大震災 復興まちづくり最前線 (東大まちづくり大学院シリーズ)

東日本大震災 復興まちづくり最前線 (東大まちづくり大学院シリーズ)

本日は,同論集に掲載された本論攷.今月中旬の準備用として.
本論攷では,都市計画と安全性を考慮する際に「共に相対的な地位を当てられているにすぎず,それぞれの決定に際してはそれ以外の要素についても同時に十分に考慮し,結論を導出する必要がある」(186頁)ため,「個別的な都市計画的衡量」による決定の必要性を指摘されている.このような裁量的な判断による計画観は復興計画に対しても共有されており,「完成」した復興計画を慣性の如く実現するのでなく,適宜修正の必要性を提案されている次の指摘には,なるほどと思いました.

完成形としてのマスタープランに固執することなく,時間軸を組み入れて漸進的かつ柔軟に計画を修正しつつ実現していくことが必要である」(192頁)