東日本大震災による損壊被害のため建て替える相馬市役所の基本設計の素案が11日、まとまった。
 新しい庁舎は切り妻屋根型の和風の3階建てで、南西側に2階建ての議会棟を備えたL字型の構造とする。免震構造の鉄骨造りなどを想定。延べ床面積は約9270平方メートル。このうち執務スペースは8830平方メートル程度を見込んでいる。 市民代表らでつくる市庁舎建設検討委員会が第5回会議を市役所で開き、市側が示した素案を承認した。新庁舎は従来庁舎の北側で解体が進む市民会館の跡地に整備する。市は今後、新庁舎の実施設計に入り、今年度内の着工を目指す。

本記事では,相馬市における新庁舎の基本設計素案を紹介.
同市に設置された「相馬市庁舎建設検討委員会」は,2013年3月に『相馬市庁舎建設検討報告書』*1を,同市長に提出.同報告書内でも,新庁舎のデザインに関しては,「市庁舎の周辺環境や和風の公共施設との調和も考慮し」「「和風」が最適である」との「判断」を答申.これにより「今後の観光資源としての活用も模索」*2することも提案する.本記事では,新庁舎の基本設計素案が確定し,「切り妻屋根型の和風の3階建て」となる模様.
もちろん,同報告書では,外装ばかりではなく「市民サービスの向上を図るための庁舎」「市民の安全安心を確保する庁舎」「環境に配慮した庁舎」「高度情報通信社会へ対応する庁舎」「事務機能の強化を図る庁舎」であることを「必要な基本的機能」*3をもつことを述べ,いわば「しっかりとした庁舎を整備」*4されている.これらの機能の具体化に至る今後の建設過程も要経過観察.

*1:相馬市HP(『相馬市庁舎建設検討報告書』を公表します)『相馬市庁舎建設検討報告書』(相馬市庁舎建設検討委員会,平成25年3月)

*2:前掲注1・相馬市(相馬市庁舎建設検討報告書)2頁

*3:前掲注1・相馬市(相馬市庁舎建設検討報告書)7〜8頁

*4:山口真「市役所が町に近づく仕掛け」『GA JAPAN』122,2013年,138頁

GA JAPAN 122

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