認知症の高齢者が徘徊(はいかい)し、行方が分からなくなるケースが多発する中、橿原市と日本警察犬協会県支部が行方不明者の捜索に関する協定を結ぶ。今月末の協定締結を前に15日、地元住民ら向けに公開訓練が行われた。
 同市は今年5月、行方不明者を捜す体制を作ろうと、関係機関や地域事業者らによる「はいかいSOSネットワーク」を結成予定で、今回の協定はその一環。同協会によると、防災を含めた捜索活動の包括協定は多いが、認知症に特化した協定は初という。
 協定では、行方不明者があった場合、最大4頭の犬を出動させ、最長約2時間捜す。事件捜査に支障が出ないよう、嘱託警察犬ではないシェパード、ゴールデンレトリバーなどにおいを追う訓練を受けた犬を充てる。
 橿原市内であった公開訓練では、同協会主催の競技会で足跡追及部門1位となった経歴を持つシェパード犬「哲三(てつぞう)」が阿部弘明訓練士と共に日ごろの成果を披露。哲三は残されたにおいを追い、隠れていた行方不明者役の男性を発見した。市介護保険課の加護剛課長は「お年寄りが遠くに行く前に見つけたい。早期発見につながれば」と期待した。【矢追健介】

本記事では,橿原市における包括協定の取組を紹介.
2016年3月28日に締結予定である同市と同協会による「行方不明者の捜索に関する協定」*1.「行方不明事案の発生」に対して,「人間の6000倍から1億倍の嗅覚を持つ犬の中」から「人の足跡や人の臭気を追跡する高等訓練を受けた警察犬種(捜索犬)を活用し」た「行方不明者の発見保護」*2の実施を目的とされている.「公-民協定(縦型協定)」*3としても整理ができそうな同包括協定,具体的な協定の内容は,要確認.

*1:橿原市HP(市政情報報道資料報道資料(平成28年))「行方不明者の捜索に関する協定

*2:橿原市HP(市政情報報道資料報道資料(平成28年)行方不明者の捜索に関する協定)「行方不明者の捜索に関する協定」(平成28年3月4日,橿原市役所 健康部 介護保険課)

*3:大橋洋一行政法Ⅰ 第2版』(有斐閣,2013年)238頁

行政法1 現代行政過程論 第2版

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