◆表に症状 裏にアドバイス
 墨田区は、認知症患者の症状や、その正しい接し方をまとめたカルタを作成した。患者の家族や介護職員の体験をもとに読み札を作り、医師による解説文を加えた。区は「遊びながら理解を深めてほしい」と呼びかけている。
 「朝食を 食べてないかな 食べたっけ」。認知症の女性が夕日を眺めながらつぶやく様子を、介護する妹が書いた読み札だ。裏側には、「否定せず、お茶やおやつを手渡すなど、気を紛らわせてあげましょう」という医師のアドバイスを載せている。
 「テレビ消す リモコン押したら 風が吹く」は、認知症の両親を10年以上介護した女性が、テレビとエアコンのリモコンを間違える父親の様子を句にした。真夏にエアコンの操作方法が分からず熱中症にかかるケースもあるといい、解説文は「必要のないボタンは紙で隠すなどひと工夫を」と助言している。
 カルタは全部で44枚。取り札は区内のイラストレーターが担当した。昨年夏、区が読み札の句を公募したところ、203点の応募があり、認知症の介護をありありと描く作品を厳選した。
 区は1000セットを用意し、区立の全小中学校や、老人クラブに配布している。4月からは区役所1階の情報コーナーで、1セット1000円で販売する。

本記事では,墨田区における認知症に関する支援の取組を紹介.
同区では「認知症の方の見守りに必要な知識や方法を広く知」ることを目的に,「縦9cm 横6.8cm」の「すみだオレンジかるた(すみだ認知症サポートかるた)」を「制作」*1.「あ”~“わ”の 44 種類」では,表面には「川柳調」で「認知症を疑うポイントや認知症の方を支えるコツなどを具体的に記載し,裏面には「認知症介護者をサポートするための区の施策も紹介」*2されている.カルタを通じた認知症支援への「誘因」*3の状況は,要確認.

*1:墨田区HP(すみだの旬な話題『すみだオレンジかるた(すみだ認知症サポートかるた)』を制作!)「~23 区でも珍しい取組!遊びながら気軽に認知症を学ぼう!~『すみだオレンジかるた(すみだ認知症サポートかるた)』 を制作!」(平成28年3月24日)

*2:前掲注1・墨田区(~23 区でも珍しい取組!遊びながら気軽に認知症を学ぼう!~『すみだオレンジかるた(すみだ認知症サポートかるた))

*3:秋吉貴雄, 伊藤修一郎, 北山俊哉『公共政策学の基礎 新版』(有斐閣,2015年)95頁

公共政策学の基礎 新版 (有斐閣ブックス)

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