都道府県が2017年度に採用する上級職(大卒・大学院修了程度)の応募者数が、秋試験の応募を控える北海道と神奈川県を除き、前年度に比べ30都府県で減少したことが25日、時事通信の調べで分かった。多くの自治体が減少の理由に「依然として高い民間企業の採用意欲」を挙げた。
応募者総数は、前年度比11.8%減の6万9123人で5年連続の減少。減少幅が大きいのは、宮崎(22.6%)、高知(21.7%)、兵庫(20.5%)など。自治体からは「有効求人倍率も上がっており、民間企業に受験者が流れているのではないか」などと、民間との競合を指摘する声が上がる。
厳しさを増す採用環境に対応し、採用スケジュールを前倒しして、早期に合格を通知するなど、民間企業を併願する受験生の取り込みに向け知恵を絞る自治体もある。山梨県は、筆記と面接を合わせ計3回行っていた採用試験を2回に減らし、試験期間を短縮。受験生の負担を軽くして、志望意欲に結び付ける戦略だ。
競争率は、算定できた自治体のうち福岡、佐賀、東京、三重、鹿児島などで10倍を超えた。1次試験は、既に実施された北海道や東京都、大阪府を除き26日に行われる。
◇2017年度都道府県職員採用応募状況
応募者数 増減率 競争率
(人) (%) (倍)
北海道 2,329※ − −
青 森 624 4.7 4.1
岩 手 571 ▲ 8.6 6.0
宮 城 1,195 ▲ 2.9 7.5
秋 田 728 ▲ 4.7 10.4
山 形 675 ▲15.3 6.4
福 島 972 ▲13.2 6.4
茨 城 1,465 ▲ 0.5 9.0
栃 木 1,401 0.1 7.7
群 馬 825 ▲14.9 9.9
埼 玉 3,716 ▲11.4 10.2
千 葉 2,694 ▲ 4.1 8.8
東 京 12,117 ▲12.3 11.9
神奈川 2,424※ − −
新 潟 880 ▲13.4 9.1
富 山 753 14.1 6.8
石 川 747 24.9 5.0
福 井 598 0.2 4.7
山 梨 882 ▲ 0.3 8.2
長 野 1,340 4.4 8.9
岐 阜 815 4.8 5.3
静 岡 1,370 ▲ 9.6 5.8
愛 知 3,208 ▲ 1.9 10.2
三 重 876 ▲ 7.5 10.8
滋 賀 1,039 4.6 9.1
京 都 1,195 ▲11.2 8.2
大 阪 2,752 8.2 −
兵 庫 1,359 ▲20.5 8.2
奈 良 997 2.8 7.9
和歌山 773 ▲ 7.3 7.4
鳥 取 528 ▲ 3.6 6.7
島 根 476 ▲18.8 4.3
岡 山 993 16.0 9.7
広 島 1,076 ▲ 4.4 9.1
山 口 642 ▲ 6.8 10.4
徳 島 1,259 ▲11.5 8.3
香 川 746 7.0 6.3
愛 媛 1,306 8.9 7.6
高 知 782 ▲21.7 7.2
福 岡 1,797 8.6 13.6
佐 賀 1,868 1.5 13.0
長 崎 745 ▲13.8 6.1
熊 本 1,083 ▲ 7.8 6.6
大 分 893 ▲12.7 7.2
宮 崎 777 ▲22.6 7.1
鹿児島 805 ▲14.8 10.7
沖 縄 2,027 ▲ 8.3 −注1:増減率は前年度との比較で、▲はマイナス。※の北海道、神奈川については大型の秋採用の応募を控えるため、増減率・競争率を掲載せず
注2:「行政」「土木」など職種ごとに募集しているため、競争率は職種によって異なる
注3:採用予定人数を「約○人」「○人程度」としている団体も、競争率は「約」「程度」などを省略した
注4:大阪、沖縄は採用予定人数の総数が未定のため競争率を算定せず、「−」とした
本記事では,都道府県における職員採用の取組を紹介.同社による調査結果.
同調査によると,いわゆる「上級職」に関して,2017年度の採用試験では応募者が「30都府県で減少」となった模様.あわせて,本記事では同応募状況に至った要因を「民間企業との人材獲得競争」*1として分析.今後,市区町村レベルでの応募状況もまた,要確認.