福井県鯖江市は人事コンサルティング会社、あしたのチーム(東京・中央)と連携した人事評価制度を4月から試験的に導入する。同社が民間企業向けに提供する人事評価システムを応用し、一部の部署で1年間運用する。市職員のモチベーションが上がる評価につなげるのが狙いで、全職員への導入も検討する。
 同社のシステムを自治体など行政が使うのは初めて。昨年11月、顧客対応にあたるサテライトオフィスを同市に開いたのがきっかけで、連携につながった。
 北陸3県の18社を含む全国約1100社が導入している「ゼッタイ!評価」を活用する。3カ月ごとの目標や成果、管理職の部下に対する評価内容について、あしたのチームのAI(人工知能)システムや社員が評価、助言するサービスだ。例えば、目標の修正の指示や、独自の評価基準から達成度合いを数値で示す機能がある。
 鯖江市版も基本的に同じ内容だが、試験的な導入のため、目標に対する評価を個人の給与査定などには反映しない。当初は約30人が対象になる。
 牧野百男市長は19日の記者会見で「状況を見ながら、2019年度は(約400人の)全職員に対象を広げたい」と本格導入に意欲を見せた。
 あしたのチームの鯨岡務執行役員は「全国の複数の自治体が導入に興味を示している。鯖江市の事例がモデルケースになればと思う」と期待した。

本記事では、鯖江市における人事評価制度の取組を紹介。
同市では、2006年「10月1日から」「人事評価制度を実施」*1。2014年「5月14日公布の改正地方公務員法」を受けて、同市では「人事評価結果」を「降任・免職」の「分限処分の契機」に「活用すること」としている。
他方で、本記事によると、本記事にて紹介されている同社の「人事評価システムを応用し」「一部の部署で1年間運用」し、その後「本格導入」も検討する方針としたことを紹介。「本格導入後」の「短期インセンティブ*2の検討状況も要観察。

*1:鯖江市HP(市政情報市の紹介その他鯖江市人事行政の運営等の公表)「平成28年度鯖江市人事行政の運営等の状況」2頁

*2:大湾秀雄『日本の人事を科学する』(日本経済新聞出版社、2017年)238頁

日本の人事を科学する 因果推論に基づくデータ活用

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