全国初の本格的な撤去工事が行われた県営荒瀬ダム(八代市坂本町)の撤去完了式典が27日、市坂本コミュニティセンターであった。戦後復興を支えた一方、球磨川の環境悪化を招いた同ダムは、63年の歴史に幕を下ろした。
 県企業局が主催し、潮谷義子前知事や県、国の関係者、地元住民ら53人が出席。蒲島郁夫知事が「撤去で得た技術的、学術的な知見を後世へ伝える。坂本町の振興にも、市や地元と一体となって取り組む」とあいさつ。工事関係者や地元住民らに感謝状を贈った。ダム左岸に完成した展望スペースのテープカットもあった。
 感謝状を受け取ったダム撤去後の町づくりに取り組む坂本住民自治協議会の森下政孝会長(76)は「球磨川の水はきれいになり、徐々に元の生態系に戻っている。川を利用した地域活性化の活動を今後も続ける」と話した。
 荒瀬ダムは県南地域の電力確保などのため県が建設した水力発電ダムで、1955年に完成。発電量は一時、県内電力需要の約16%を担った。
 土砂の堆積による河川環境の悪化などを背景に地元で撤去の機運が高まり、潮谷前知事が2002年に撤去方針を表明。08年、蒲島知事が事業費の増大を理由に存続へ方針転換したが、水利権をめぐる課題が浮上。10年にあらためて撤去を表明し、12年9月に工事が始まった。 (益田大也)

本記事では、熊本県におけるダム撤去事業の取組を紹介。
2012年度から2017年度までの「6年」*1で実施されてきた同ダムの撤去事業。本記事によると、2018年3月「27日」に「撤去完了式典」が開催された模様。今後の「河川管理」*2状況も、要観察。

*1:熊本県HP(分類から探すしごと・産業荒瀬ダム撤去)「荒瀬ダム撤去工事

*2:森田朗『新版 現代の行政』(第一法規、2017年)6頁

新版 現代の行政

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