東京都、ふるさと納税に反対 流出「特養60施設分の補助」(日本経済新聞202年3月3日)

ふるさと納税で流出した都民税は特別養護老人ホーム約60施設分の補助額に相当します」――。東京都はこのほど、ふるさと納税制度に対する見解を専用サイトにまとめた。都民税の減収額(流出額)は年々増加しており、制度は行政サービスに必要な住民税の減収につながるとして「地方税の原則からみて望ましくない」と反対の立場を示した。

個人の場合、区市町村民税と同時に徴収する都民税のうち、ふるさと納税による減収額は2022年度に571億円で、09年度からの累計額は2341億円にのぼる。都によると、571億円は特別養護老人ホームの施設整備費補助の約60施設分(定員6000人分)に相当する。そのうえで、返礼品競争になることや高所得者ほど事実上の節税対策として活用されることなどを問題点として指摘した。

都主税局によると、サイトの公開は1日付で、「都はこれまでも国に制度の見直しを求めてきたが、(公開により)都民や一般の人に分かりやすくした」と説明している。ふるさと納税制度は都市部の自治体からの流出額が大きくなる傾向にあり、都は「さまざまな問題がある」として同制度に参加していない。

本記事では、東京都におけるふるさと納税制度に対する見解提示の取組を紹介。

同制度には「参加」せず「寄附本来の趣旨等を踏まえた見直し」を求める同都。同制度を通じて「都民税(住民税)の減収額」が「年々増加」し、2009「年度からの累計2,341億円」、2022「年度の減収額」は「571億円」であることを示したうえで、「特別養護老人ホームの施設整備費補助」「約60施設分」*1と例示する。

「贈与も交換の中で活性化していく」*2ことも想定される同制度。同要請への対応状況は、要確認。