市職員が副業「意外と楽しい」 エダマメ収穫、時給1030円 埼玉、農家の人手不足で地域貢献(埼玉新聞2024年6月23日) 

 狭山市は本年度から市職員の副業として、農業などの地域貢献活動への参加を進めている。15日の土曜日、職員3人が、狭山市青柳の諸口秀敏さん(54)の畑でエダマメを収穫した。勤務時間は午前8時~正午で、時給1030円。市職員に地域について知ってもらい、農業生産者の繁忙期の人材不足を支援する狙いがある。

 収穫作業には、市内在住で秘書課の高野伊紗璃さん(26)と、市外在住で教育委員会施設管理課の山田圭太さん(31)、商業観光課の岡亜美奈さん(25)の3人が参加した。諸口さんのレクチャーを受け、エダマメの苗を地面から引き抜き、コンテナに詰める作業を繰り返した。

 部活で鍛えていたという高野さんは「意外と簡単で楽しい」と笑顔。岡さんは「思っていたより腰がつらい。今まで生産者としっかり話す機会はなかったので、良い機会になった」と感想を述べた。

 同市は県内有数のエダマメ生産地で、「いるまめ」ブランドとして県内や都内で販売される。諸口さんは4ヘクタールの畑でエダマメ、ニンジン、サトイモを生産。エダマメは早生(わせ)品種を栽培しており、収穫、出荷のスピードが重要だが、小ぶりなため機械化ができない。諸口さんは「常に人手不足なので、非常にありがたい」と話した。

 地方公務員法では公務員の副業は原則禁止で、首長の許可が必要。同市はこれまで自営業などに限り認めていたが、本年度から地域貢献活動も対象に広げた。農業のほか、スポーツ・文化活動の指導者、地域団体の活動、地域の通訳などが対象となる。

 小谷野剛市長は5月の定例会見で、「市外在住の職員が増え、職員が地域のことをよく知らないという課題がある。農家でも、繁忙期に人手が足りないという課題がある。制度を活用した農業支援を行いたい」と説明した。

本記事では、狭山市における副業を紹介。

同市では、「農業の」「生産者の労働力不足の解消の一助」となることを目的に「市職員の副業・兼業を可能とする」*1取組みを開始。

「自身の職場以外」での「学び」*2につながる過程は要観察。

*1:狭山市HP(市政情報市長の部屋市長施政方針)「令和6年度市長施政方針

*2:稲継裕昭・大谷基道『現場のリアルな悩みを解決する! 職員減少時代の自治体人事戦略』(ぎょうせい、2021年)、167頁