近くにスーパーや商店、コンビニ店がなく、日頃の買い物が不便な多摩ニュータウンの住民のために、多摩市と都は18日、京王電鉄の協力を得て、都営団地内では初めてとなる移動販売を開始した。地元自治会の要望を受けて実現したもので、「便利で助かる」と好評だった。
 移動販売が始まったのは、多摩ニュータウン愛宕団地。この日、肉、魚、野菜などの生鮮食料品、米、菓子、飲料、調味料、日用雑貨など約250品目を積んだ移動販売用の軽自動車がやって来た。週3回、各回30分、京王ストアの商品を同じ価格で提供するもので、車にない品物は注文すれば、次回持ってきてくれる「ご用聞き」サービスもある。
 午前10時40分の販売開始とともに、高齢者中心の買い物客が車荷台の陳列棚を取り囲んだ。
 「お刺し身を買いたかった」という上田千江美さん(81)は、ほかにもパン、果物などを購入。「普段は多摩センターのスーパーまで買い物に行く。週3回来てくれると、すごく助かる」。秋山糸子さん(80)も「昔はここに食料品店があったが、今はない。5階に住んでいるので、牛乳など重い物やかさばるトイレットペーパーは近くで買えるとうれしい」と話していた。
 この日は住民30人以上が訪れ、パンや牛乳は完売、かりんとうやだんごなど和菓子が人気だった。京王電鉄は「好評でうれしい。買い物困難な方の利便性向上に役立ちたい。人が集まることで、地域の活性化にもつなげたい」としている。
 同社はすでに、多摩ニュータウン内の都営団地以外では、17か所で2トントラック(約600品目)を使った移動販売を実施。トラックが進入できないエリアには先月から、軽自動車による販売を導入している。

本記事では、東京都における都営住宅団体内の移動販売の取組を紹介。
同都では、「都営住宅居住者の利便性向上を図るため」「区市町の買物弱者支援事業と協力した団地内でのスーパーの移動販売の実現」を「検討」を進め、「多摩市」と「協議が整い」、「都営住宅における買物弱者支援事業に関する覚書」を「締結」したことにより、本記事で紹介されている同事業者による「都営住宅団地内」での移動販売が、2017年「12月18日」より「実施」*1。「営業日時」は「毎週」「月曜日、水曜日、金曜日」の「10時40分〜11時10分」*2となる。「住民ニーズへの応答性」*3による同取組。利用状況は、要観察。

*1:東京都HP(都政情報報道発表これまでの報道発表 報道発表/平成29(2017)年 12月)「多摩市内の都営住宅団地内で、スーパーの移動販売が開始されます!(都営住宅における買物弱者支援事業)」(2017年12月13日  都市整備局)

*2:前掲注1・東京都(多摩市内の都営住宅団地内で、スーパーの移動販売が開始されます!(都営住宅における買物弱者支援事業))

*3:北村亘、青木栄一、平野淳一『地方自治論 2つの自律性のはざまで』(有斐閣、2017年)232頁。

地方自治論 -- 2つの自律性のはざまで (有斐閣ストゥディア)

地方自治論 -- 2つの自律性のはざまで (有斐閣ストゥディア)