都、職員500人を海外派遣 動物の殺処分ゼロ実現も(日本経済新聞2019年4月5日)
 東京都の小池百合子知事は5日の記者会見で、海外の先進施策を学ばせるため職員500人を派遣することを発表した。派遣する職員は海外自治体を訪れ、現地の職員と意見交換をするほか、国際会議に参加して知見を広げる。併せて都が保護した動物の殺処分が、18年度末でゼロになったことも明らかにした。

 小池氏は職員の海外派遣について「世界をけん引する政策が生まれることを期待する」と述べた。2020年東京五輪パラリンピック後の持続的成長が課題となっていることから、「プロジェクトを通じて個々の政策(立案・実行能力)のブラッシュアップを図ってもらいたい」と意義を強調した。都は関連予算として2億5000万円を計上している。

  殺処分ゼロは待機児童などと合わせて、7つのゼロを目指すとした公約のひとつ。小池氏は「1年前倒しで達成できた」と胸を張った。ほかの目標についても「待機児童は5千人台まで減った。方向性は着々と進んでいる」とした。

本記事では,東京都における職員育成の取組を紹介。
同都では,「国際舞台で活躍する職員の育成を目的」,従来,実施してきた「大体20名程度の職員の海外派遣研修」から「500名の職員」を対象に「世界基準のベストプラクティスを学」び,「先進都市でのネットワークを構築」し,「職員の国際感覚」を「醸成してもらう」ことを「目的に各局の様々な部署から派遣する」*1事業を開始。「都庁の中」の「約100」の「部」「それぞれ」から「5名ずつ出してもら」い,「テーマをしっかりと決めて」「事業所管,企画,経理,人事,政策,それぞれ連携してテーマや渡航先の選定を行い」「事業計画に反映されるという流れ」*2が予定されている。

同事業を通じて習得された「国際感覚」*3に基づく具体的な成果は,要観察。

*1:東京都HP(都政情報 : 知事について: 知事の部屋 : 知事の記者会見 : 知事記者会見/平成31年 : 小池知事「知事の部屋」 / 記者会見(平成31年4月) )「 小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成31年4月5日)

*2:前掲注1・東京都(小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成31年4月5日))

*3:小野英一「自治体における閉鎖型任用システムと「開放性」」河合晃一・大谷基道『現代日本の公務員人事』(第一法規,2019年),130頁

現代日本の公務員人事――政治・行政改革は人事システムをどう変えたか

現代日本の公務員人事――政治・行政改革は人事システムをどう変えたか