復興支援に礼状 震災10年、国内外に6300通 石巻市 (河北新報2021年3月10日) 

 石巻市は11日で東日本大震災から10年となるのを前に、復興を支援してくれた国内外の計約6300個人・団体に亀山紘市長名で礼状を送った。

 礼状は3日に発送した。各部署が記録を精査し、国や県の関係機関、応援職員を派遣した自治体、義援金や支援物資を送った個人・団体、炊き出しや交流事業で協力したボランティア、企業などに送った。海外は米国やオーストラリア、イタリアなどの12カ国。

 礼状では、震災当時を「一度にすべてを失ってしまった人が、あの日どれほどいたでしょう」と振り返った。国内外から多くの支援の手が差し伸べられたことに触れ、「その温かい手があったからこそ、今日の私たちがあり、石巻市があります」と感謝した。

 震災の経験を後世に伝承していく決意を記し、最後に「コロナが落ち着きましたら、石巻市にいらしてください」と呼び掛けた。

 市によると、送り先の住所や名称が変わっていて、全体の1割ほどが返送された。匿名の支援者や市を通さずに活動したボランティアらにも思いを届けようと、市ホームページにも掲載した。市秘書広報課の担当者は「10年は一つの区切り。感謝を伝えるため、知りうる限りの情報で送った」と話した。

本記事では、石巻市における震災復興の取組を紹介。

同市では、東日本大震災の発災から「10年を迎え」るなか、「支援いただいた方々」へ「礼状を発送」*1。他方で、「10年という時間の経過により」、「所在地や団体等の名称が変更になっている方」「匿名により送付先の住所が不明の方」「ボランティア等本市を通さず直接現地に入り」「支援いただいた方」、「海外の場合、コロナ禍による郵便事情により、配達に相当の時間がかかる」などで「届け」「ることが出来ない現状」*2もある模様。

「相互の応じあい、支えあい」による「膨らみある双方の関係」*3となる同取組。今後の過程も要観察。

*1:石巻市HP(市のプロフィール : 市長の部屋 )「 ご支援いただいたすべての方々へ

*2:前掲注1・石巻市ご支援いただいたすべての方々へ

*3:鷲田清一『つかふ 使用論ノート』(小学館、2021年)13頁

つかふ: 使用論ノート

つかふ: 使用論ノート

  • 作者:鷲田 清一
  • 発売日: 2021/01/14
  • メディア: 単行本