広島市は1月から、市職員が率先して男女共同参画に取り組む「トップランナー計画」をスタートさせる。家事や育児に性別を問わず積極的に参加するよう促す。
 1月を強化月間と位置付け、仕事と生活の調和を図るための推進員を各職場に置く。毎週水、金曜に設定する定時退庁の実施状況や、お茶出しなど性別による役割が固定化していないかをチェックリストに記入し、提出を求める。
 女性職員の相談に乗る「メンター制度」や、生活の実情に応じた管理職の希望降任制度なども推進していく。

同記事では,広島市において,男女共同参画計画に基づき,1月を強化月間として,庁内において「仕事と生活の調和」を促進を試みる方針であることを紹介.
同市の同計画については,同市HPを参照*1.「男女共同参画に関する理解の促進」の重要施策として,「地域などで男女共同参画を進める推進員活動等の一層の充実を図るとともに,市職員自らが率先して男女共同参画社会づくりの推進役を果たすべく努める」(12頁)とあるように,職員においても「教育・学習」等の活動を主体的に行うことが目標とされている.「トップランナー計画」に関しては,現在のところ,同記事以外での情報把握できない模様,残念.主に,いわゆる「警察巡回型」*2による監督形態を採用されるようではあるが,「仕事と家族との緊張した関係」*3を緩和するための取り組みとなるのだろうか.興味深い.
同内容は,同市に設置された男女共同参画審議会審議会の2008年度第2回会議においても指摘.例えば,「家事時間を56分以上にしますというのを,民間事業所に言うだけではなく,市役所の職員が家事を含めどのくらいするのかということである」とあり,自治体側がまずは塊より始めよ,との趣旨の模様.また,同発言には「男女共同参画推進員もまだ数十人のレベルだが,市の職員自らが男女共同参画推進員になってほしい」として,「そうすると一万人計画というのは,決して夢ではない」*4ともあり,同員への同市職員による就任を促す.ただ,同員に関する報酬及び費用弁償との関係も出てくるのではないだろうかとも考えられる.同経費等支給に関しては,自治体毎で様々な対応にはあるが,同発言からすれば,同市では無償ということなのだろうか.要確認.

*1:広島市HP(広島市男女共同参画基本計画(第2期))『広島市男女共同参画基本計画(第2期)』(平成20年3月)

*2:曽我謙悟『ゲームとしての官僚制』(東京大学出版会,2005年)107頁

ゲームとしての官僚制

ゲームとしての官僚制

*3:G・エスピン‐アンデルセンアンデルセン,福祉を語る』(NTT出版,2008年)18頁

*4:広島市HP(広島市男女共同参画審議会:平成20年度第2回(平成20年11月4日))「審議会会議録」10頁(会長発言)