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「とやまスイーツ」の定義決まる…体に優しいなど４項目（読売新聞2010年5月27日）

富山県産食材を使ったオリジナル洋菓子「とやまスイーツ」の定義が決まった。県の女性職員で作る研究会が２５日に発表した。
　〈１〉県内で製造販売〈２〉県産素材を使用〈３〉名前やパッケージから県をイメージできる〈４〉体に優しい――の４項目。認定には、すべての項目を満たす必要がある。
　研究会は６月、とやまスイーツを募集。認定されると証明書が交付されるほか、県のイベントなどで販売できる。また、試食会が同日、県庁で開かれ、女性職員や富山国際大の女子学生計１８人が参加。富山市などの洋菓子店３店が作ったとやまスイーツのモデル作品として、ユズやイチゴのマカロン、米粉のシュークリームなどが出された。
　知事政策局の杉森京子さん（２６）は、「シュークリームには求肥(ぎゅうひ)が入っていて、モチモチした食感が初めて。甘さも控えめで、さっぱりしていておいしい」と話していた。研究会代表で観光課主任の畠美江さん（３１）は「地元の人気商品を作り、物産展などで富山県をもっとＰＲしていきたい」と話していた

本記事では，富山県において，「オリジナル洋菓子」を「とやまスイーツ」とすることに際しての定義が確定されたことを紹介．
本記事によると，同「スイーツ」の定義としては，「県内で製造販売」「県産素材を使用」「名前やパッケージから県をイメージできる」「体に優しい」の「4項目」．「体に優しい」項目に関しては，2010年5月26日付の朝日新聞の報道を拝読すると「薬で知られる富山のイメージから」*1とのこと（上記の定義からは，「甘金丹」は，洋菓子，そして「とやまスイーツ」に該当されるのでしょうか）．
同定義までの取組に関して，2010年5月25日付の中日新聞を拝読すると，2010年1月に「県庁内で」「課を超えてお菓子好きの女性十五人が集ま」られて，「とやまスイーツ研究会」を立ち上げ，商品の発掘と開発に」取り組まれて来られており，ただし，同研究会は，「自主研究グループ」であることもあり，「活動は仕事が終わった午後六時ごろから」「二週間に一度のペースで開き」「県内の洋菓子店のオリジナル商品の試食」*2されてきた，という．2009年10月23日付の本備忘録にて記した，下名の中心的観察課題である「自治体内会議体」のうちの一つである「公式的」会議体の取組ではなく，もう片方の「実際の調整活動は非公式な部局間折衝等で行われている場合」*3とも整理ができそう（か）．なお，同研究会の活動に関しては，同研究会による「とやまスイーツブログ」を参照（いずれの「スイーツ」の画像もおいしそうですね）．
同検討を経て，確定された「スイーツ」の定義のもとで，「認定されると証明書が交付」されることを検討されている模様．2009年2月9日付，同年2月11日付，同年2月25日付，同年3月27日付，同年3月29日付，同年11月14日付の各本備忘録でも触れた「認証制度（及び，認定制度）の叢生」の取組の一つとしても整理ができそう．同種の制度，同年11月14日付の本備忘録でも取り上げた「倉敷ブランド制度」の廃止の事例を観察すると，「決して商品を表現する透明の媒体ではな」く，「工場でも技術でも作られない価値が，市場，つまり，伝達と使用の狭間で生まれる」*4特性をもつともされる「ブランド」において，各製品の独自性に対して，同ブランドを認証・認定する制度を通じた「同型化（isomorphism）」*5に至ることで，「世評（reputation）」*6の獲得による安定化に至る一方で，製品の独自性を喪失する蓋然性も内包することになるのだろうか．同制度に関しては，考えてみたい課題．
同「スイーツ」の波及（普及）は，要経過観察（と申しますか，食べてみたいですね）．