瀬戸内市は7日、整備を検討している新しい市立図書館の館長候補者の募集を始めた。図書館長の公募は岡山県内では初めてで、建設前に募集するのは全国で初。

本記事では,瀬戸内市における,同市が設置予定の図書館の館長職の公募の取組を紹介.2009年8月8日付同年9月9日付同年10月16日付の各本備忘録にて,副市長,教育長の候補者公募の取組を記録した同市.2011年1月7日付の朝日新聞の報道を拝読すると「昨秋」には「市民病院の事務局長」*1されており(同取組は,見落としていました),今回は,図書館長を公募される模様.同取組の詳細に関しては,同市HPを参照*2
同職への「応募資格」としては,「昭和30年4月2日〜昭和51年4月1日に生まれた人」であり,「経験」として「司書資格を有し,図書館業務に関しマネジメント経験のある人」の「すべて満たす人」が対象とされている.「応募受付期間」は「平成23年1月7日(金)から平成23年1月21日(金)」までの2週間.「所定の応募申込書」,「瀬戸内市新図書館の将来像について」が課題とされた「4,000字以内」の「課題論文」,そして「司書資格を証するもの」*3を提出.募集後の選考手続としては,まずは「応募申込書及び課題論文の審査」により「選考」される「第1次選考」,次いで,「1月30日(日)」に実施される「個別面接」による「第2次選考」の選考手続を経て,「新図書館長候補者を決定」*4される予定.
地方分権推進委員会が1996年3月23日に提出された『中間報告』において,「事務遂行上,必要な職員体制については,原則,地方公共団体の自主的判断とする方向で見直し」とされ,「図書館長の司書資格等,当該資格規制がなくても事務の遂行に支障がないと思われる」*5との見解が示された後,1999年5月29日に閣議決定された『地方分権推進計画』「国庫補助に係る公立図書館館長の司書資格規制(廃止)及び専任規制(緩和)」*6とされた,「自由度の拡大路線」*7を踏まえた制度改正が図られた同職.拡大された自由度のなかでの「職員の資格・職名及び配置基準」に関する「自主的判断」に際して,いわば外形標準的にも専門資格を求めることになることもまた,自由度のなかでの「自主的判断」の一つとも整理ができそう(か).なるほど.

*1:朝日新聞(2011年1月7日付)「公募続きの瀬戸内市、今度は図書館長

*2:瀬戸内市HP(新着情報新図書館長候補者募集)「瀬戸内市新図書館長候補者募集要項

*3:前掲注2・瀬戸内市瀬戸内市新図書館長候補者募集要項)1頁

*4:前掲注2・瀬戸内市瀬戸内市新図書館長候補者募集要項)2頁

*5:内閣府HP(内閣府の政策地域主権改革地方分権改革の歩み地方分権改革:地方分権推進委員会地方分権推進委員会 中間報告−分権型社会の創造―(平成8年3月29日))「第2章 国と地方の新しい関係

*6:総務省HP「地方分権推進計画の要旨」(下名は,『地方分権推進計画』は,『月刊地方自治』第608号,平成10年7月号の別冊付録が書棚には並んでいますが,ウェッブ上ではデータを確認できないものなのでしょうか)

*7:西尾勝「四分五裂する地方分権改革の渦中にあって考える」『分権改革の新展開』(ぎょうせい,2008年)3頁.

年報行政研究43 分権改革の新展開

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