人事院の初任行政研修で和歌山県みなべ町を訪れた若手官僚が17日、研修の締めくくりとして、同町の若手職員と意見を交換した。同じ行政に携わる若者として触発し合ってもらいたいと企画したもので、仕事でやりがいを感じることや研修を通じて感じたことなどについて語り合った。
 意見交換には、町の中早良太産業課主事ら20代の職員5人と、若手官僚3人が参加した。町職員は「住民に対応するのは大変と感じる時もあるが、じかに触れ合う機会が多いので役に立てていると感じることができる」「いろいろと異動をしたが、どの課に行っても町民に喜んでもらえるようにという思いは同じ」など、仕事に対する思いや、やりがいなどについて、それぞれの考えを述べた。地方自治体と中央省庁との違いについても意見を交換。研修生の一人は「現場と直接触れることができるかどうかが大きな違い。中央省庁では全国から集まったデータや数字を見て仕事をしているが、今回の研修を通じて自分の目で現場を見ることができ、数字を重く感じることができるようになったと思う」などと話した。

本記事では,みなべ町において,人事院の初任行政研修が開催されたことを紹介.2009年6月5日付の本備忘録でも記録した,人事院による同研修の取組.概要に関しては,人事院公務員研修所HPを参照*1
「行政職俸給表(一)2級の官職(これに相当すると認められる官職を含む.)に採用された各府省の初任係員を対象」に「合宿を主体に(一部通勤により)」,「社会福祉施設における「介護等実地体験」」及び「自治体(全国の市町村)における「地方自治体実地体験」」を「日程」により「4コース」に分けて,「3分類・17科目を,それぞれ「講義」「実地体験」「LF」「討議」「発表」「座談会」の方法により「合計187時間」実施されている同研修.本記事で紹介されている同研修は,日程では「5月24日(月)〜6月25日(金)」の期間で行われている「Cコース」のうち,「1週間」で実施される「地方自治体実地体験」に該当する模様.
「組織人」*2としての「タイプ別キャリアくん」*3への移行のなかにあるなかで実施される同研修により,本記事でも紹介される「自治体と中央省庁との違い」のみならず,「同じ行政」とはどのような内容となるか,極めて興味深そう.同院が実施されている「3年目フォローアップ研修」*4「課長補佐級研修」*5「課長級研修」*6「幹部行政官セミナー」*7を通じて,同初任行政研修」での認識がどのように持続又は変容されていくのか,長期にわたる意識把握ができると,より興味深そう.

*1:人事院HP(人事院公務員研修所おしらせ)「報道資料 「平成22年度初任行政研修の実施について」

*2:桑田耕太郎・田尾雅夫『組織論 補訂版』(有斐閣,2010年)208頁

組織論 補訂版 (有斐閣アルマ)

組織論 補訂版 (有斐閣アルマ)

*3:町田智弥,かたぎりもとこ『リアル公務員』(英治出版,2010年)165頁

リアル公務員

リアル公務員

*4:人事院HP(人事院公務員研修所)「3年目フォローアップ研修」

*5:人事院HP(人事院公務員研修所)「課長補佐級研修」

*6:人事院HP(人事院公務員研修所)「課長級研修」

*7:人事院HP(人事院公務員研修所)「幹部行政官セミナー」