宮城県は2日、東日本大震災復興計画(2011〜20年度)に行政評価システムを導入する方針を決めた。復旧・復興事業の進行状況を県が自己評価し、有識者の外部委員会が判定した上で、毎年度、結果を公表する。過去の震災で復興計画の政策評価を行った自治体はなく、県は「全国初の取り組み」としている。
 県は復旧期(11〜13年度)の「復興実施計画」を近く策定する。県総合計画「宮城の将来ビジョン」(07〜16年度)の13年度までの行動計画と合体させる方針で、新たな「将来ビジョン・震災復興実施計画」に掲げる57施策を評価対象にする。県が各復興事業の数値目標に対する達成度をまとめ、政策・施策ごとに「順調」「遅れている」など4段階で評価。大学教授らでつくる県行政評価委員会の部会が評価結果を「適切」「おおむね適切」「要検討」の3段階で判定する。県は3月から基礎資料づくりに着手し、5月下旬に評価委へ諮問する。部会による審査を経て、7月下旬には答申をもらい、9月下旬に冊子「成果と評価」を公表する。
 行政評価システムは02年4月、全国初の行政活動評価条例の施行に伴い、県総合計画に導入された。震災前は将来ビジョンの約360事業を検証し評価していたが、復興計画が加わり、検証事業は約750に倍増する。県によると、1995年の阪神大震災や04年の新潟県中越地震で、兵庫県新潟県は復興計画を策定し、復興事業の事後検証は行ったが、毎年度の政策評価までは実施していないという。県震災復興政策課は「復興事業を絶えず検証することは被災自治体の義務だ。復興計画の進行管理につながる上、行政評価の蓄積が復興の記録にもなる」と話している。

本記事では,宮城県における行政評価の取組を紹介.同県が策定されている復興計画に対して,進行管理のための評価を実施.
同方針は,2012年2月2日に開催された宮城県行政評価委員会政策評価部会にて提示.同県では,「平成22年度の評価」は同「県の「長期総合計画」となる「宮城の将来ビジョン」と「宮城の将来ビジョン第1期行動計画」の体系に基づいて」実施.「平成23年度」の評価は「東日本大震災の発生により政策評価・施策評価を「休止」」されていたものの,「次年度以降」は2011年「10月に」策定された「宮城県震災復興計画」と,上記の「宮城の将来ビジョン」を「着実に実施し進行管理を行う」とともに,「現在」策定中の「両計画の実施計画を一つにした中期的な計画」となる「宮城の将来ビジョン・震災復興実施計画」とともに「これらの計画の体系に基づいて,政策評価・施策評価を実施する予定」*1であることが提示.
元来,同県の行政評価条例では,第4条により,その対象としては,「前年度の政策,施策及び事業について,それらの全体の体系及び相互の関係を踏まえて包括的に行う評価」,「大規模な事業で規則で定めるもの」と「公共事業で規則で定めるもの」に関して 「事業に着手する前」又は「着手した後一定の期間を経過したときに行う評価」.そして,これら「のほか,事業について主として効率性の観点から行う評価その他の規則で定める評価」*2の3種類の評価の実施が概括的に規定.そのため,「過度に硬直的なシステムとすることは避ける」よう「基本的な仕組みを定めるにとど」*3めらていることが,同条例に基づく同県の行政評価システムの特徴.方や,行政評価委員会条例では,その第6条に基づき,同方針を審議された「政策等の評価に関すること」を調査審議するために設置されている「政策評価部会」,「大規模な事業の評価に関すること」を審議調査される「大規模事業評価部会」,「公共事業の評価に関すること」を審議調査される「公共事業評価部会」*4の3部会が設置されている.ただ,震災復興という政策等,大規模事業,公共事業の何れも含むことも想定される場合には,どのように分掌されるのだろうか.今後の評価の取組も,要経過観察.