岡山県は、主に江戸時代から1980年代にかけて建設された県内の代表的な土木資産をまとめたホームページ(HP)「おかやまの歴史的土木資産」を開設した。土木職を目指す若者が減っているとみられる中、興味を持ってもらう狙い。
 県によると、厳しい職場イメージなどから、業界の人手不足が深刻化。県職員の土木職も2014年度採用予定数の11人に対し、1回目の試験で合格者は9人にとどまり、30年ぶりに再試験するなど人材確保が難しくなっている。HPでは、橋、トンネル、水門、ダムなど66施設を取り上げ、解説文を写真、地図とともに掲載。県のマスコット・ももっちによる一言メモを付け、特徴をすぐに理解できるようにした。
 岡山市中心部の旭川に架かる「京橋」は、岡山城を築いた宇喜多秀家が1593(文禄2)年、木製の橋を架けたのが始まりで、大正期に架け替えられたと紹介。江戸期に農業用水の取水口として設置された「倉安川吉井水門」(同市)は花こう岩で頑丈に築かれ、300年以上、当時の姿を残していると解説している。丸い石を積んだ護岸が残る明治期の「勝山の船着場跡」(真庭市)や、大正期に2年がかりで岩盤を切り抜いて造ったトンネル「県道宇治下原線の素掘隧道(ずいどう)群」(高梁市)なども取り上げている。
 県土木部監理課は「土木職は自分が手掛けた仕事が長く社会に役立ち、やりがいがある。HPで楽しみながら学び、現地にも足を運んで土木資産を見てほしい」としている。

本記事では,岡山県における歴史的土木資産の取組を紹介.同取組は,同県が開設したHP*1とFB*2それぞれを参照.
同取組では,江戸期以前,1868〜1912年の明治期,1912〜1926年の大正期,1926〜1945年の昭和戦前期,1945〜1989年の昭和戦後期の5期毎での「年代別」,同県の9区域毎での「地域別」,橋,トンネル,樋門・水門,水道施設,治水・海岸施設,道路・鉄道,水運関係,ダム,灌漑施設にその他を加えた10の「分野別」で,計66の「歴史的土木資産」*3を公開.各施設では各施設の建築年代や所在地などの概要とともに,「見どころ」「マップ」に加えて「近隣の観光地」*4を紹介する.
同県の歴史的土木遺産を楽しめる同取組.本記事によると「土木職を目指す若者が減っているとみられる中,興味を持ってもらう狙い」がある模様.「より多くの受験生を集め」*5ることになるか,応募状況は要観察.

*1:岡山県HP(組織で探す土木部監理課「おかやまの歴史的土木資産」のホームページを開設しました)「「おかやまの歴史的土木資産

*2:岡山県HP(組織で探す土木部監理課「おかやまの歴史的土木資産」のホームページを開設しました)「「おかやまの歴史的土木資産

*3:前掲注1・岡山県(おかやまの歴史的土木資産)

*4:前掲注1・岡山県(おかやまの歴史的土木資産)

*5:稲継裕昭『地方自治入門』(有斐閣,2011年)92頁

地方自治入門 (有斐閣コンパクト)

地方自治入門 (有斐閣コンパクト)