総務省は23日、地方自治体の会計制度に関し、2017年度までに資産や負債の状況が分かる民間企業並みの複式簿記を導入するよう要請した。コスト管理を徹底し、地方行財政を効率化するのが狙い。高市早苗総務相は記者会見で「予算編成に活用してほしい」と述べた。新制度導入で生じる事務負担を軽減する支援策も導入する。
 総務省によると、自治体会計は1年間ごとに金の出入りを記録する単式簿記が主流。学校などの公共施設の建て替え費用や職員の退職金といった将来掛かる金を分割してきちんと反映している例は少ない。企業会計では、こうした情報を貸借対照表などで細かく記載するのが通例だ。

本記事では,総務省における公会計の整備促進の取組を紹介.同取組は,同省HPを参照*1
2015年1月23日に同省が策定した「統一的な基準による地方公会計マニュアル」*2では「統一的な基準による財務書類の作成 手順や資産の評価方法」「固定資産台帳の整備手順」「連結財務書類の 作成手順」「事業別・施設別のセグメント分析をはじめとする財務書類の活用方法等」*3を提示.同日付の通知では,同マニュアルを「参考にして」「統一的な基準によ る財務書類等を原則」とするように「平成27年度から平成29年度までの3年間」で「全ての地方公共団体」が「作成」し「予算編成等に積極的に活 用されるよう特段のご配慮をお願い」*4する.統一化により,「発生主義・複式簿記の導入」「固定資産台帳の整備」「比較可能性の確保を促進」*5が可能となる.
同通知では,「公共施設等の老朽化対策にも活用可能である固定資産台帳が未整備である地方公共団体においては,早期に同台帳を整備することが望まれます」*6との認識が示されており,公共施設等の管理の前提となる「基本的データベースである固定資産台帳の整備」*7を求めている.今後の整備状況は,要経過観察.

*1:総務省HP(広報・報道報道資料一覧:2015年1月)「統一的な基準による地方公会計の整備促進 平成27年1月23日

*2:総務省HP(組織案内研究会等)「統一的な基準による地方公会計マニュアル

*3:総務省HP(広報・報道報道資料一覧:2015年1月統一的な基準による地方公会計の整備促進 平成27年1月23日)「統一的な基準による地方公会計の整備促進について」(総財務第14号 平成27年1月23日)

*4:前掲注3・総務省(統一的な基準による地方公会計の整備促進について)

*5:総務省HP(広報・報道報道資料一覧:2015年1月統一的な基準による地方公会計の整備促進 平成27年1月23日)「統一的な基準による地方公会計の整備促進について

*6:前掲注3・総務省(統一的な基準による地方公会計の整備促進について)

*7:南学「公共施設マネジメント白書の概要と活用」小島卓弥編著『ここまでできる実践公共ファシリティマネジメント』(学陽書房,2014年)50頁

ここまでできる 実践 公共ファシリティマネジメント

ここまでできる 実践 公共ファシリティマネジメント