兵庫県芦屋市の山中健市長は12日、“日本一厳しい”とされる屋外広告物条例の施行に合わせて、市役所本庁舎の市章を撤去するとしていた方針について「撤回する」と発表した。市章撤去をめぐっては、市民や議会から「やり過ぎだ」などと批判の声が上がっていた。(前川茂之)
 市役所の市章は、本庁舎北館と南館の屋上に掲げられているが、市はこれらが条例で禁じられている「屋上広告」に該当する可能性があると判断。条例には公共広告物の適用除外とする条項もあるが、「まずは自らが範を示す必要がある」として、昨年10月までに撤去の方針を固めた。
 しかし同市議会は同日、「市章は市のシンボルであり、撤去は反対や疑問の声が多い」という全議員による申し入れ書を山中市長に提出した。
 これを受けて同日午後、山中市長は「市章撤去は条例施行の決意を表したものだった。より一層の理解と協力に向けた丁寧な取り組みをしていきたい」とコメントを発表し、撤回を決めた。市章は公共広告物で適用除外とするもようだ。
 同条例は、市内全域で屋上広告やアドバルーンなどを全面禁止する厳しい規制内容で、昨年12月の定例会で施行時期を今年4月から同7月に修正された上で可決されていた。

本記事では,芦屋市における屋外広告物規制の取組を紹介.
2015年10月7日付の本備忘録で記録した,同市における同規制の2016年「7月1日」からの「施行」*1に伴う,同市庁舎に掲げられた「市章」除却の検討方針.本記事による除却の方針は「撤回」し,同条例第10条に基づく「適用除外」*2とする模様.「看板の規制」*3への今後の実施状況は,要観察.

*1:芦屋市HP(まちづくり景観・まちづくり都市景観)「芦屋市屋外広告物条例について

*2:芦屋市HP(まちづくり景観・まちづくり都市景観芦屋市屋外広告物条例について)「芦屋市屋外広告物条例」(芦屋市条例第54号)

*3:秋吉貴雄, 伊藤修一郎, 北山俊哉『公共政策学の基礎 新版』(有斐閣,2015年)221頁

公共政策学の基礎 新版 (有斐閣ブックス)

公共政策学の基礎 新版 (有斐閣ブックス)