京都市は本年度から、民間のバス会社が停留所の標識や上屋を設置する代わりに市に支払っている道路占用料について、車両のバリアフリー化やバス待ち環境を改善することを条件に、免除するよう制度を改めた。占用料分を、乗客の安全や快適さの向上に振り向けてもらうのが狙いだ。
 市は道路占用料条例に基づき、市の管理道路ではバス標識1本当たり年3300円(市街化調整区域は500円)、屋根などの上屋は1平方メートル当たり同4100円(同620円)を徴収している。2015年度にバス会社が払った総額は約760万円。市バスは公営企業のため課していない。
 市バスでは、バス停の3分の1近くで上屋が設置されるなどバス待ち環境の改善が進んでいる。市議会では市バス路線のない山科区の議員らを中心に、民間バスの占用料を免除し、その分が乗客の利便性向上につながる取り組みを市に求める声が高まっていた。
 改正後の制度は、バス会社が車両のバリアフリー化やバス待ち環境向上の計画を策定し、標識の色彩が屋外広告物規制に沿ったものであることなどが免除の条件となる。市は申請を受けると、標識1本ごとに免除対象となるか判断する。
 市道路河川管理課は「占用料の免除を通じ、市全体でバス停の環境が良くなるよう促していきたい」としている。

本記事は,京都市における占用料の免除の取組を紹介.
同市では,「民間バス事業者のバス停留所の標識及び上屋の道路占用料」に関して,「バス事業者が,バス車両のバリアフリー化やバス待ち環境向上の取組を行っていること」,「市民の日常生活における移動手段となっている路線バスの停留所であること」,「バス停留所の標識の色彩が,町並み景観との調和に配慮したものであること」,「バス事業者に,租税公課の滞納がないこと」の「すべての要件に適合する場合」,「バス事業者から免除の申請を受け」「免除」*1する方針を紹介.現在,「バス停留所標識」は,「年額」「市街化区域」では「3300円/本」,「市街化調整区域」は「500円/本」,「バス停留所上屋」は,同じく「年額」「市街化区域」では「4100円/㎡」,「市街化調整区域」は「620円/㎡」とされている.
占用料制度から変更に伴う,同制度が企図していた事業者の「行動とその帰結である秩序」*2の状況は,要観察.

*1:京都市HP(まちづくり道路・河川道路占用)「バス停留所の標識及び上屋の道路占用料の免除について」(平成28年3月29日)

*2:砂原庸介・稗田健志・多湖淳『政治学の第一歩』(有斐閣,2015年)14頁

政治学の第一歩 (有斐閣ストゥディア)

政治学の第一歩 (有斐閣ストゥディア)