外国人に住民投票権 武蔵野市が条例案提出へ 市長、参政権につながる批判に「論理の飛躍だ」(東京新聞2021年11月12日)

 東京都武蔵野市は12日、要件を設けずに外国人の投票を可能とする住民投票条例の制定を目指すと発表した。19日開会の市議会定例会に条例案を提出、可決されれば2022年度中に施行する。市によると、同種の条例は神奈川県逗子市、大阪府豊中市に次いで3例目で、都内では初となる。
 条例案では、市内に3カ月以上住む18歳以上の日本人と定住外国人住民投票投票権を認める。定住外国人は留学生などを含み、在留期間の要件は付けない。
 松下玲子市長は12日の定例記者会見で「市民参加を進める手段の1つに住民投票制度を加えるのが目的で、外国籍の人を排除する合理的理由は見いだせない」と説明。外国人参政権につながるとの批判には「代表者を選ぶ選挙権とは違うので論理の飛躍だ。住民投票に法的拘束力はない」と反論した。
 市によると、常設型の住民投票条例がある全国の自治体のうち、逗子、豊中両市を含む43自治体が外国人の投票権を認めている。うち東京都小金井市など28自治体は永住外国人に限定。残る13自治体は永住外国人投票権を認めた上で、中長期の定住外国人に「国内で在留資格を持ってから3年以上」(川崎市)などの要件を付けている。(花井勝規)

本記事では、武蔵野市における住民投票制度の取組方針を紹介。

同市では、2020年「4月1日」に「施行」した「武蔵野市自治基本条例第19条」に「基づき」「二元代表制を補完する常設型の住民投票制度を確立するため」、「武蔵野市住民投票条例(仮称)の制定に向け」、同市「庁内に設置した」「武蔵野市住民投票条例(仮称)検討委員会」で「骨子案、条例素案の検討及び作成」の後、各案に対するパブリックコメントや意見交換会等」を行い「条例案を作成」*1。2021年第4回市「議会」*2の定例会に提出されることとなる。

条例案の特徴は、「廃置分合・境界変更」を「行おうとする場合は」「必ず住民投票を実施」すること、「武蔵野市及び市民全体に影響を及ぼす事項で」「住民に直接その意思を確認する必要があると認められるもの」は「投票資格者総数の4分の1以上の署名 をもって住民投票の実施請求ができ」ること、同「住民投票の実施請求ができるのは」「住民のみ」であること、「住民投票の投票資格者は」「年齢満18歳以上で引き続き3か月以上武蔵野市住民基本台帳に登録されている者とし」「外国籍住民を含め」ること、「住民投票の結果は、投票した者の総数が投票資格者総数の2分の1以上の場合に成立する」こと、「条例に基づく住民投票の結果は」「そのまま市の意思決定となるような法的拘束力を持たせることができないため」「市長と議会はその結果を」「尊重」し」「どのように取り扱うかを決定」すること、そして、「成立、不成立にかかわらず、住民投票の結果を公表」*3すること、とされている。

「投票結果に法的拘束力がない諮問型」*4の同条例案条例案の審議過程は要確認。