「手話は言語」 東京都議会で最終日に126人全議員が共同提案へ (朝日新聞2022年6月14日)

手話の普及や理解を後押しする条例案が15日、東京都議会に提案される。超党派の議員で作るワーキングチーム(WT)が約7カ月間検討してきた「手話言語条例」案で、5会派と無所属を含め、126人全議員で条例案を共同提案する形をとる。全会一致で可決・成立する見通しだ。

 WT座長の小宮安里議員が14日、都庁で会見を開き、条例案の詳細を説明した。議会局によると、全議員で共同提案するのは初めて。小宮議員は「大切なのは実効性が担保され、手話を使いやすい環境を整備すること」と話した。

 全日本ろうあ連盟によると、手話言語条例は2013年10月の鳥取県を皮切りに、33道府県で成立している。区市町村を含めると、5月25日現在で計452の自治体にある。都内では16区が制定した。

 条例案には、手話を必要とする幼児や児童、生徒が学校で手話を習得するための支援が盛り込まれた。条例制定を要望してきた都聴覚障害者連盟の越智大輔事務局長は「子どもたちが手話を言語として自然に身につける機会が増える。時間はかかったが、非常にうれしい」としている。

 同WTは今後も議論を続け、聴覚障害者だけでなく、すべての障害者が意思疎通する機会の確保を進める「情報・コミュニケーション条例」の制定をめざすという。(小林太一)

本記事では、東京都における手話言語条例の取組を紹介。

2022年「第2回定例会」に「議員提出」*1された同条例案

条例案では、第3条に「手話を必要とする者の意思疎通を行う権利を尊重し、特別区及び市町村」「その他の関係機関と連携して、手話に対する理解の促進、手話の普及その他の手話を使用しやすい環境の整備を行うものとする」こと、そして「都は、手話を必要とする者が都政に関する情報を速やかに取得することができるよう、手話を用いた情報発信を行うものとする」*2を定めている。同条例案は「原案可決」*3されている。

「ハードルの高いものであるが、不可能ではない」「議員提案条例」*4による同取組。条例の実施状況は要観察。 

*1:東京都HP(東京都議会会議の結果と記録提出議案と議決結果令和4年第2回定例会)「議員提出議案第8号 東京都手話言語条例

*2:前掲注1・東京都(議員提出議案第8号 東京都手話言語条例

*3:東京都HP(東京都議会会議の結果と記録提出議案と議決結果)「令和4年第2回定例会

*4:金井利之『自治体議会の取扱説明書 住民の代表として議会に向き合うために』(第一法規、2019年)、162頁

自治体議会の取扱説明書―住民の代表として議会に向き合うために―