スペース不足の熊本市役所、「フリーアドレス制」導入 職場の固定席を廃止、効率化に効果(熊本日日新聞2023年5月6日) 

 熊本市は、職員の席を固定しない「フリーアドレス制」を4月から市役所の四つの課で本格導入し、職員らにも好評だ。業務の効率化や働き方改革の一つとして民間企業で進みつつある取り組みだが、県内自治体の導入は珍しい。市は「職場の生産性を高め、省スペース化で経費節減にもつなげたい」としている。

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う業務量の増加を受け、市は2021年10月に改革プロジェクト推進課がある本庁舎6階の一部をフリーアドレス化し、5カ月間、効果を検証。自席や個人の書類保管棚をなくし、紙資料はデジタル化した。打ち合わせにも使える大型テーブルのほか、紙資料なしで会議するための大型モニターやウェブ会議用のブースなどを設けた。

 その結果、紙資料の削減やコミュニケーションの円滑化などに効果があった、と分析。市は契約事務などで紙が必要な部署を除き、フリーアドレス制を拡充することを決めた。

 4月から本格導入したのは改革プロジェクト推進課に加え、森の都推進部の三つの課。組織改編で新たにできた部署で、当初は近くのビルに入居予定だったが、フリーアドレス化で本庁舎7階に集約した。

 備品購入費830万円で済み、「ビルの賃料を年間約1500万円節約できた」と改革プロジェクト推進課の吉田敏一課長。新たな仕事スタイルとなった花とみどり協働課の吉田香織課長は「職員とコミュニケーションが取りやすく、会議室まで移動する手間も省ける」と話す。

 熊本市役所はスペース不足が長年の課題。市は近くの民間ビル3棟の一部を年間1億5960万円で借り、約570人が働いている。経費削減の観点からも部署の実情に応じてフリーアドレス化を進める構えだ。

 県内の自治体では、県がこれまでにデジタル戦略局の二つの課と財産経営課、新庁舎「防災センター」で導入済み。(河内正一郎)

本記事では、熊本市におけるフリーアドレス制の取組を紹介。

同市では、「情報共有の強化と部の一体感醸成、ペーパーレス・テレワーク等新たな働き方の推進やダウンサイジング等を目的」に、「2023年度」から「フリーアドレスを導入」*1

フリーアドレス制」による個席なき「一所の執務空間」*2の同取組。執務スタイルの変化は、要観察。